ポリッシュローランドシープドッグの性格や特徴、しつけ、寿命や病気、飼い方は?

ポリッシュローランドシープドッグ
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

ポリッシュローランドシープドッグは、ポーランドのローランド地域原産の牧羊犬種です。別名を「ポルスキー・オフチャレク・ニジニー」と言い、頭文字を取って「ポン」と呼ばれることもあります。

16世紀には既にドイツやポーランド北東地域でその存在が確認されているのですが、正確な起源はわかっていません。第二次大戦中に爆弾が落ちてくる事を事前に察知し、数百名の人命を救ったという逸話もあります。

この記事ではそんなポリッシュローランドシープドッグの性格や特徴、しつけ、寿命や病気についてまとめました。

ポリッシュローランドシープドッグの歴史

ポリッシュローランドシープドッグ
第二次世界大戦時、戦火に巻き込まれて多くのポリッシュローランドシープドッグが命を落とし絶滅寸前になりました。主人の命を守ろうとして、敵に勇敢に立ち向かい命を落とす個体も多かったといわれています。

戦後は愛好家がポリッシュローランドシープドッグの再興のためポーランド中を捜索し、見つかった150頭の生き残りから再興計画は成功させ、頭数が徐々に回復していきました。

復活後は再びポーランドで人気の犬種となり、ヨーロッパ各国や北米にも輸出され、ペットやショードッグ、スポーツドッグとして愛されています。

ポリッシュローランドシープドッグの特徴は?

ポリッシュ・ローランド・シープドッグの画像

体重はどれくらい?

ポリッシュローランドシープドッグの体高は42~50cm、体重は13~16kg前後で中型犬に分類される犬種です。目を覆うほどに伸びた長く柔らかいシャギーコート(むく毛)が印象的ですね。

体高より体長が少し長いスクエア型の筋肉質な体で、四肢はまっすぐ、胸底は深く、がっしりとした体つきをしています。

体とのバランスが良い大きさの頭部に、卵形でヘーゼル色の目をしており、耳は飾り毛があり垂れています。フサフサの尻尾は生まれつき短いか、断尾することが多いです。

被毛の特徴は?

厚い被毛はダブルコートで、アンダーコートは柔らかく密生し、オーバーコートは粗くやや波がかっています。

毛色は全色全パターンが許容されていますが、白地に黒、グレイ、チョコレート、サンディの斑点模様が入るものが多いです。一般的に成長するにつれて色が薄くなります。

ポリッシュローランドシープドッグの性格は?

ポリッシュローランドシープドッグ
ポリッシュローランドシープドッグは攻撃的な面が無く、温厚で従順、活発で明るい性格をしています。飼い主にとても忠実で、なにがあっても守り抜こうとします。家族に対して優しく小さな子どもや子犬に対しても寛容です。

見知らぬ人には警戒心を持つので、番犬にも向いています。ポーランドでは農民の番犬、牧羊犬として活躍していました。

普段は穏やかな性格ですが、羊を狙う野生の熊やオオカミに勇敢に立ち向かうという一面も持ち合わせています。

ポリッシュローランドシープドッグの寿命や病気は?

ポリッシュローランドシープドッグの画像
平均寿命は13~14年前後です。運動のし過ぎによる関節疾患、湿気の多い季節に地肌が蒸れて起こる膿皮症に注意してください。

膿皮症

膿皮症とはブドウ球菌による皮膚疾患です。免疫力が低下して起こる病気であり、クッシング症候群やアトピー性皮膚炎と併発して発症することが多くあります。薬用シャンプーの投与やクリームの使用で治療をします。

肺水腫にもなりやすいので、動物病院でワクチンのとき一緒に心音を聴いてもらい早期発見ができるよう、定期的な検診の習慣を身につけてください。

遺伝的になりやすい病気も

遺伝的に溶血性貧血になりやすいです。溶血性貧血とは、血管内で赤血球が壊され、貧血を起こすことを言います。初期症状は元気と食欲がないくらいで、見逃してしまうかもしれません。この病気は死亡率が高いので、日頃から愛犬と良く接し、観察して早期発見・早期治療を心がけてください。

垂れ耳で外耳炎にもなりやすいので、耳のケアも定期的に行ってくださいね。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
耳掃除を行う際、人用の綿棒は使用しないでください。犬の皮膚は人と異なり薄く傷つきやすいです。人用の綿棒は刺激が強すぎるため、獣医さんや動物看護師さんに正しい耳掃除の方法を教えてもらってから行いましょう。

ポリッシュローランドシープドッグの飼い方は?

ポリッシュローランドシープドッグの画像

どれくらい運動が必要?

体を動かすことが大好きなので1日に30分〜60分ほどの運動を2回行うのが目安です。

毎日の散歩に加えてドッグランで走らせたり、スポーツ性のあるフリスビーやボール投げなどの遊びも取入れてあげたりすると喜びます。

必要なお手入れは?

お手入れは、もつれや毛玉をケアするために毎日のブラッシングが欠かせません。

オーバーコートの細い毛は絡まりやすく、ふかふかのアンダーコートは換毛が多いので、少なくとも週に3回程度は金属製のコームでコーミングもしてあげてくださいね。

しつけは?

ポリッシュローランドシープドッグは状況判断力に優れているので、日本でもペットとして飼育しやすい犬種です。頭を使って遊ぶことも大好きなので、いろいろな命令語を使いながらしつけを行う方針がオススメです。

飼い主や家族を守ってくれるので、小さなうちから家族との時間をたくさんとり、家族であることを認識させてください。家族と見知らぬ人の区別がつけばつくほど、番犬として機能しますよ。

ポリッシュローランドシープドッグにおすすめのドッグフードは?

ドッグフード
ポリッシュローランドシープドッグにおすすめのドッグフードを選ぶ際には、以下のポイントに注意すると良いでしょう。

フードを選ぶときのポイントは?

動物性タンパク質源が重要!

ポリッシュローランドシープドッグは筋肉質な体格を持つ犬種であり、適切なタンパク質摂取が重要です。

肉や魚などの優れたタンパク源が主原料となっているフードを選びましょう。

適切な量の脂質を摂取できる

健康な皮膚とコートの維持のためには、適切な脂質摂取も重要です。

オメガ-3脂肪酸やオメガ-6脂肪酸(原材料は魚油など天然のもの)をバランス良く含んでいるフードを選ぶと良いでしょう。

穀物などアレルギーに配慮

ポリッシュローランドシープドッグの一部の個体は穀物に対してアレルギー反応を示すことがあります。そのため、穀物フリーやグレインフリーのフードを選ぶことがおすすめです。

健康状態に合わせた栄養バランス

年齢、体重、活動レベルなどに応じて適切な栄養バランスを考慮したフードを選ぶことが重要です。成長期の子犬や高齢犬など、特定のライフステージに適したフードを選ぶと良いでしょう。

フードの安全性?

品質管理がしっかりとされている信頼性の高いブランドのフードを選ぶことが大切です。添加物や人工的な成分を避け、天然の食材を使用しているフードを選ぶと良いでしょう。

そのほか注目したいポイント

関節疾患や皮膚疾患にかかりやすいポリッシュローランドシープドッグには、オメガ3脂肪酸やグルコサミン、コンドロイチンなどが含まれてるごはんが適しています。

これらの成分が含まれているから病気にならない!というわけではないため、足腰に負担をかけない室内環境を整えたり、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーなどを行ってください。

飼い主と一緒に笑顔になる犬

ポリッシュローランドシープドッグは、甘えん坊だったり、頑固で言うことをきかなかったりして飼い主は振り回されることもあります。

ただ、基本的に温厚で従順なので、初めて犬を飼う方にもオススメできる犬種です。本当にうれしいときには、人の笑顔のように唇を伸ばして微笑むことがあります。愛犬と気持ちが通い合った瞬間を体験したい人におすすめの犬種といえます。

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