らんちゅうの種類や価格差、寿命、病気、水槽、飼い方など

「金魚の王様」と呼ばれる「らんちゅう」をご存知でしょうか。

じつはその丸みを帯びたフォルムと独特の特徴をもったらんちゅうは、各地で品評会が開催されるほど多くの人々を惹きつける品種です。

この記事では、らんちゅうの種類や飼い方などを詳しくまとめました。

 

らんちゅうとは

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らんちゅう(蘭鋳、蘭虫、卵虫)は金魚の一品種で、背びれがなくずんぐりとした魚体、頭部の肉瘤(にくりゅう:頭部や頬にあるごつごつした瘤のようなもの)の盛り上がりなどが特色です。

肉瘤はカシラ(頭の部分)とフンタン(頬の部分)と呼び分けられており、品評会や愛好家たちはこの肉瘤がいかに出ているかを重視しています。

その独特のフォルムは、金魚好きでなくとも思わず目を留めてしまいますよね。

 

らんちゅうの歴史

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らんちゅうの記録は遡ること江戸時代の「金魚養玩草」に「卵虫」とあるものが古いものになります。

「和金(金魚の原型)」から品種改良され、オランダ人が支那の国から持ち込んだ背びれのない「マルコ」を経て、明治中期以降に今の姿になったといわれます。

現在では数多くの品評会が開催されており、品評会は大きく関東筋、大阪筋、京都筋の3つにわけられます。今市場に出ているらんちゅうは、これらの地域で繁殖されていますが、大阪筋については第二次世界大戦の際に、絶滅してしまい、当時の形を取り戻そうと努力がつづけられています。

 

らんちゅうの形態

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原産国 中国
値段 400円から数万円
種類 らんちゅう、更紗らんちゅう等
英名 ライオンヘッドゴールドフィッシュ
寿命 10年前後
体長 20㎝前後
性格 人になれやすく大人しい
かかりやすい病気 エラ病、白点病等
注意点 丸い身体つきのためエサの食べ過ぎによる消化不良を起こしやすい

らんちゅうは体長が20cmほどで、背びれがないのが大きな特徴で、他のひれも大きく広がることはありません。

また尾びれは、金魚の典型である3つ尾・4つ尾・サクラ尾のどれかで、 生まれたときは黒く途中で赤く変わっていきます。成体は素赤か、更紗と呼ばれる紅白の模様の物が多くなります。

さらに3~4年ほどで、ずんぐりとした厚みのある体つきになり、頭部は肉瘤が発達していきます。この肉瘤がライオンの頭部を彷彿とさせることから、ライオンヘッドゴールドフィッシュという英名がついています。

このように浮遊するように泳ぐ姿の成長させるのが、愛好家の楽しみでもあります。

 

らんちゅうの種類

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らんちゅうの種類

  • らんちゅう
  • 更紗らんちゅう
  • 黒らんちゅう
  • 江戸錦
  • 桜錦
  • 青らんちゅう
  • 大阪らんちゅう
  • 協会系
  • 宇野系

らんちゅう

らんちゅうの原種で、ペットショップで販売される1番身近な種類です。400円前後で購入できます。

尾ひれ以外身体全体が赤い個体で、色は素赤(すあか)と呼ばれます。成長すると20cm前後の大きさになります。また年数を重ねると、頭部の肉瘤が盛り上がり、身体が分厚くずっしりとした貫禄のある身体になるのですが、これはらんちゅうすべてに共通する最終のかたちです。

更紗らんちゅう

赤い身体に白の模様の入った種類で、通常のらんちゅうよりも2色の色合いに個性が出ます。

成長すると身体の模様や入り方が変化し、愛好家のなかでも人気です。価格は1000円〜4000円前後と、通常のらんちゅうより高価になります。

黒らんちゅう

らんちゅうの黒色で、更紗らんちゅうに比べて人気はありませんが、成長すると黒々と光る身体が水中で目立ち綺麗です。

1000円前後と安価に購入でき、混泳のらんちゅうとしても人気があります。

しかし黒色だけに表皮の欠けが目立ちやすいうえ、成長途中で黒色が薄くなることもあります。できるだけ衝撃を与えないよう、水中にカバーなどをつけて追突を防止することをおすすめします。

江戸錦

らんちゅうと東錦の交配種で柄はキャリコ(赤白黒の3色からなる) のらんちゅうです。更紗らんちゅうと同様、成長途中で身体の柄が変化していきます。

価格は大きさ次第になり2000円〜4000円前後と、値段の幅があります。

桜錦

桜錦は江戸錦とらんちゅうの交配種になります。ピンク色っぽい透明のウロコに、身体に赤やうっすらキャリコが入ることもあり、その美しさから人気があります。

ただ交配が難しく、市場に出回る数が少ないため、3000円~5000円前後と高めです。

青らんちゅう

青らんちゅうは、他のらんちゅうよりも尾が長めで、あまり出回らない珍しい種類になります。

身体は銀色っぽい渋みのある色合いで、5000〜1万円と高値でありながらすぐに完売してしまうほど人気があります。

大阪らんちゅう

大阪らんちゅうは江戸時代の文献にも登場する個体の形状で、肉瘤は発達せず、背びれのない丸い背中と開いた尾ひれ、花房と呼ばれる丸い小さな瘤が目の前にできるのが特徴です。

この大阪らんちゅうから、らんちゅうの類型化が行われましたが、明治期に現れた後ほど紹介する協会系や宇野系に押されて飼育数を激減してしまいました。

さらには第二次世界大戦の際に絶滅してしまい、戦後に肉瘤の少ないらんちゅう・南京・土佐金・花房などを用いて大阪らんちゅうは復元されたといわれています。

協会系

東京の初代石川亀吉氏が作出したものが協会系と呼ばれます。現在のらんちゅうの基礎の一つとされており、力強い均整のとれた体型や尾の形態、泳ぎの美しさが特徴です。

協会系は、らんちゅうの観賞会・品評会が開催されるきっかけともなった種類で、各地で愛好会などが結成されました。石川家は、全日本らんちゅう連盟から宗家の称号を贈られ、今もなお脈々と協会系はつづいています。

日本らんちゅう協会は、石川亀吉氏に連なる系列のらんちゅうを基準としているため、協会系、宗家系と呼ばれています。

宇野系

陶芸家の宇野仁松氏が趣味でらんちゅうを飼育しており、その審美眼から協会系らんちゅうから確立した種類です。

特徴は、肉瘤が発達具合や色彩の美しさが重視され、体型の大きいものは良くないとされています。

大阪らんちゅう・協会系・宇野系の扱い

大阪らんちゅうは、らんちゅうの観賞文化の基礎をつくりましたが、現在のものは終戦後復元されたものということから、別の品種と見なされています。

協会系と宇野系は、審美の基準が異なり違うものとして扱われることが多く、品評会でも同時に並ぶことはありません。

最近では全国各地で他の系列も現れはじめ、独自の基準で新たな美しさを提案しています。

 

ペットショップと専門店の違い

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多くのらんちゅう専門店は、稚魚の段階からある程度の成長まで選別し、いわゆるハネ魚(選別から漏れたもの)ではないらんちゅうのみを取り扱っています。

また、ブリーダーや生産者がわかるものだけを仕入れ、系統もわかりやすく開示されています。

一匹数百円の格安らんちゅうは、生産者も系統が不明で、選別作業もほぼ行われていないハネ魚が混じっている可能性が高くなります。

3つのランクで価格差がある

らんちゅうのランク

  • 品評会用
  • 種用
  • 観賞用

らんちゅう専門店では個体差によって値段が変わり、価格が高い順から「品評会用」「種用」「観賞用」に分かれています。

品評会用

品評会などに出品でき、審査基準にのっとって選別されたらんちゅうです。具体的な賞歴のあるらんちゅうも含まれます。数万円から数十万円と高く幅広くなっています。

品評会用に選別されたらんちゅうは、品評会で高評価となる上見(うわみ:上から見た姿)の良さや姿形が兼ね備わっており、よりこだわりたい方におすすめです。

種用

品評会の審査基準を満たしませんが、裏皿が多い・親骨が強いといった特徴があります。

裏皿とは尾びれの裏側に見られる鱗を指す言葉で、大きいほど尾をしっかりと支え、泳ぎも良く尾型が崩れません。親骨は尾肩とも呼ばれ、尾を支える役割を果たします。

産卵に適しており、系統もしっかりしていると判断されたもので1万円~数万円前後の価格です。

観賞用

品評会の審査基準を満たしておらず、個人で飼育するために適しているものが観賞用になります。

上見だけではなく水槽での鑑賞も可能で、色や柄によって前後しますが数千円~1万円ほどです。ホームセンターや個人販売などのらんちゅうより品質が高いので、まだ飼育をはじめて間もない方におすすめします。また、色、柄といった好みに合わせて自分だけで楽しむのにもいいですね。

個体差による価格差のポイント

価格差のポイント

  • 色・柄
  • 尾開きの良さ
  • 尾芯の太さ
  • 泳ぎ

色・柄

最もスタンダードならんちゅうは素赤といい、尾ひれ以外全てが赤色です。白色が入っていません。

またカナコ柄は、アズキのような小赤斑があります。その他赤色が少なく白っぽいもの、いくつかの色や柄を持ったらんちゅうがいます。

らんちゅうの色や柄そのものついては、品評会では審査規定外となっており、完全に個人の好みに依存します。一般的にはカナコ柄などが人気で価格も高めになっています。

尾開きの良さ

上見から見たときに、尾が大きく開いたものを「尾張りが良い」と表現します。尾張りが弱いものは、貧弱に見えやすいため、お値打ちな価格になりやすいです。

ただ、水槽などで鑑賞して楽しむだけなら横から見るため、尾張りが弱くすぼんでいても問題ありません。

また尾張りが弱くても、綺麗な背中のラインなどそのほかの部分が良いと値段が高めになることもありますよ。

尾芯が太い (ツマミ)

尾芯は尾びれの真ん中の部分で、太いとあまり綺麗な見た目になりません。そのため一般的には価格が安めになります。

らんちゅうのルーツを辿るとフナや鯉へと行きつくのですが、尾芯の太さはその名残りあるいは先祖返りという考え方があります。そのため種にも使わない方が良いとされ、太いものは観賞用に区分されることが多いです。

尾芯が太いらんちゅうは、一番最初の選別(生まれて3週間ほど)で気付かず選別漏れして大きくなったケースが多く、らんちゅうとしての評価が低くなります。ただ、観賞用としては「背が綺麗」「柄が綺麗」といった理由で高めの価格で販売されることもあります。

泳ぎ

らんちゅうの魅力は優雅さであるため、泳ぎの善し悪しによっても値段が変わります。良い泳ぎは、左右の尾を上手に使い前に力強く泳ぐ状態とされています。

頭を大きく振って泳ぐというより動く、頭を上げて立って泳ぐような状態 、頭を下げて下へ下へと泳ぐ 、お尻だけ振ってバタバタと尾を動かす泳ぎなどは、泳ぎが悪いと評価が下がる傾向です。

とはいえ、この泳ぎは飼育方法で実際の見え方が変わります。洗面器など浅い水槽の場合、尾を擦りたくないためにバタバタとした泳ぎになり、一方横から鑑賞できる深い水槽であれば、ゆったり泳ぐことができます。

品評会用の厳しい基準

各地で開催される品評会においては、ある程度共通したポイントはあるものの基準はまちまちです。それゆえに、完全な審査基準を満たしたらんちゅうに巡り会えることは少ないといえます。

とはいえ「審査基準にのっとったポイントが高い」「逆に欠点が少ない」などの積み重ねで値段の開きが出てきます。

ひねり・癖を見せる

らんちゅうは基本的にストレートなボディが良いとされ、曲がった状態は「ひねり」と呼ばれます。成長の過程で曲がってしまう個体が多いのですが、上から見て楽しむ場合、ひねりは大きなマイナスポイントになります。

ひねりといっても多様で、エラ下を締めて首をひねっているように見えるものや、片腹といって片方のお腹が凹んでいる・膨らんでいるもの、尾の左右に強弱がありひねって見せるものなどがあります。

背中と腰のゴツゴツ

一番大きく価格を左右するのは背中のラインです。櫛型・扇形など古くから色々な表現のされ方をしていますが、いずれも凸凹がなく美しいラインであることがポイントになります。

凸凹があると観賞しても面白くないため、大幅に価格は下がります。ただ、成長とともに凸凹がなくなる場合もあるので、凸凹を欠点とせず、柄が美しさがあればある程度の価値観を見出すこともあります。

 

らんちゅうの性格

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らんちゅうの性格は大人しく、ほとんどケンカもしません。また人に慣れやすく、水面にエサをねだりにくる可愛らしい一面があります。

 

らんちゅうの寿命

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寿命

  • 10年前後

寿命は10年前後といわれており、ほかの金魚に比べると短い傾向にあります。ただ大切に育てると15年以上生きることもあります。

和金などはフナの原型を残していますが、らんちゅうは観賞用により品種改良され原型のフナの形から離れているため個体は弱くなるといわれています。また品評会に出すような個体につくるには、急激に大きく育てる必要があり、そのため内臓などに負担がかかり寿命が短くなると考えられます。

らんちゅうを観賞用として育てるのであれば、2〜3年は短い尾ビレで水面を一生懸命泳ぐ姿を楽しみ、4年程すると肉瘤が発達し、体に厚みが出てきて立派な姿になっていく様子をみることができます。

また大きくなるにつれて模様の入り方が変化していくのも楽しみの一つ。まさに「金魚の王様」といった大きく存在感のある体は、飼育の実感や達成感、満足感を得ることができますよ。

 

らんちゅうの病気

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らんちゅうの病気

  • エラ病
  • 白点病
  • 転覆病
  • ヘルペス病

エラ病

エラブタをパカパカしていたり、エラブタを閉じて呼吸が苦しそうにしていたりする場合は、エラ病が疑われます。原因は、エサのやりすぎによる消化不良や水質の悪化などがあげられます。

エラ病の症状のあるらんちゅうは、隔離したうえで食塩治療を行い経過観察してください。やり方は、水槽の水を塩分濃度が0.5%になるように(水1ℓに対して食塩を5g) して食塩浴させます。

金魚と水槽の塩分濃度をあわせることで水槽内の殺菌をしたり浸透圧の調節を楽にし新陳代謝を活発にしたり、傷の回復を早めたりすることができます。

消化不良でエラ病を発症した場合は、食塩浴を一週間絶食しながら続けると、体内から溜まったフンが出て回復に向かいます。

ただし食塩浴は症状が軽度のうちに行うのがポイントです。自ら泳げない状態(水面に浮かぶほど弱っているなど)では、食塩の刺激に耐えられないこともあるので控えてください。

症状が重いときは隔離し、ヒーターで少しずつ水温を25℃ぐらいまであげ経過観察をしてください。また水質の悪化(不純物が浮く、PHが高い等)が原因のときは、新しくつくった水を水槽の3分の1だけ交換し様子をみるようにします。

白点病

白点病は、季節の変わり目に発生しやすい白点虫(寄生虫)がおこす病気です。金魚の病気としては有名で、体に白い白点虫が異常繁殖すると、呼吸困難になり衰弱し死に至ることもあります。

白点虫は金魚なら保有する菌で普段は症状が出ませんが、水質の悪化や急激な温度変化、未完成の水にいきなり移すといった変化によって抵抗力、免疫力が落ちたときに発症します。

治療方法は初期の段階であれば食塩浴が有効で、その際ヒーターで水温を上げるとさらに良いです。白点病の薬も市販されており、薬浴治療することもできます。

転覆病

転覆病は琉金やらんちゅうなど丸い金魚に起きやすい病気です。発症すると水面にプカプカ浮いてしまい自分で泳ぐことができず、衰弱死してしまいます。

冬場など水温の低下により動きが鈍くなると、食べたエサを十分に消化できなくなりおなかにガスがたまり発症します。

治療方法は食塩浴をしながらヒーターで25℃前後まで水温を上げ、一週間絶食させて経過観察してください。うまく消化できればたまっていたフンがおなかから出てきて回復します。

ヘルペス症

キンギョヘルペスウィルスに感染して起こります。感染すると金魚の造血組織が破壊され貧血を起こし、約1週間で死に至ります。感染力が非常に高く、混合感染をして身体に様々な症状が現れます。

外見的な変化はほとんどないのですが、エラ部分が白く濁ったように変色します。

原因は水質の悪化、新しく導入した個体がウィルスを保有していることが考えられます。薬浴および水温を上げ、エアレーションを一緒に入れて酸欠状態にならないようにしてあげます。

 

らんちゅうの飼育方法

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水槽の立ち上げ~らんちゅうを迎えるまでの手順

らんちゅうを迎えるまでの手順を以下にまとめました。

①水槽をきれいに洗い、天日干しして完全に乾かします。

②水道水にカルキ抜きを入れます。最初は白く濁りますが10分ほど置くとなじんで透明になります。

③カルキ抜きした水を静かに入れます。らんちゅうは底を這うように泳ぐため、腹部を傷つけるおそれがあるので砂利は敷き詰めないほうが良いです。

④ろ過器、ろ過フィルターをセットし、1晩~2日ほど(最低でも半日)水を循環させます。ろ過フィルターにバクテリアが定着し水質が安定します。

⑤らんちゅうはいきなり入れるのではなく、購入時の袋ごと水につけて40分置きます。こうすることで水槽の水と袋の中の水の水温を合わせます。

⑥袋の中の水を少し捨て、水槽の水を袋の中に入れて30分置きます。これを2~3回繰り返すことで、袋の中の水と水槽の水の水質を合わせていきます。

⑦らんちゅうのみ水槽に移します。袋の水は汚れているため水質が悪化しますので入れないでください。これで水合わせが完了です。

初日は移動と環境の変化でらんちゅうにストレスがかかっています。その日は絶食させて胃腸を休ませてあげてください。

飼育中のらんちゅうの中に新しいらんちゅうを加える場合は、新しいらんちゅうが菌を保有している可能性もありますので別の水槽で2~3日様子を観察後、混泳させるようにします。

らんちゅうは観賞用に品種改良された体型(背びれがない、体が弱くて水質の悪化にも弱い)のため、泳ぎが下手、水流が苦手、エサ取りが下手など注意点が多いですが、普通に金魚を飼育できるなら、水流や水質に気をつけさえすれば飼育することができます。

混泳について

混泳は可能ですが、立派な個体に成長させたい場合は単独飼育がおすすめです。動きがゆったりしていて、おとなしい性格のらんちゅうは混泳するとエサを満足に食べられず、成長できなくなります。

また同じ水槽で飼育すると、衝突によって身体を傷つけるリスクや、感染症が発生し水槽内のらんちゅうが全滅してしまう危険もあります。

他の金魚と混泳させる場合は、性格の大人しい「琉金」「オランダ」などの同じおなかの深いタイプが良いです。和金などのフナ尾の金魚は性格がきつく、動きが速いためらんちゅうが不利になってしまいます。

もし混泳させるときは、餌が取られないように水槽を広いものにするといった工夫や、強い水流にならないよう環境もらんちゅうに合わせるようにしてくださいね。

水槽について

らんちゅうは上見の美しさが魅力ですが、ペットショップではこの上見を楽しむための底の浅い水槽が販売されています。価格は5,000円~1万円前後です。

複数の色の違うらんちゅうを入れると、カラフルな水面を観察できます。水槽のタイプはさまざまで、ハスを浮かべたり、レイアウトを自由に楽しめます。

飼育に必要なもの

金魚用ヒーター

金魚の場合はヒーターがなくても室内で飼う分には問題ありませんが、らんちゅうは消化不良を起こしおなかにガスがたまりやすいため、ヒーターが必要です。

ヒーターで水温を25℃ほどにすると消化を促し、ガスを体外に排出してくれます。ただし、いきなり水温を上げるとらんちゅうがびっくりしてしまうので、時間をかけてゆっくりあげてくださいね。

らんちゅう用の餌

ペットショップなどでは、らんちゅう用のエサが販売されています。通常のエサより、肉瘤が発達しやすい成分が入っていたり、やわらかく沈下性があったりします。らんちゅうは口が下にあるため、餌は浮揚性より沈降性がおすすめです。

また冷凍アカムシやミジンコなど活餌も好んで食べます。ただ、活餌は栄養価も高く水分量も豊富である一方、あげすぎると水を汚す原因になりますので、量に注意し残ったエサは取り除くようにしてください。

ろ過装置

ろ過装置は通常の金魚を飼育するうえで必要なものです。らんちゅうはゆっくり泳ぎ、強い水流が苦手なので、ボコボコと強いエアレーションがでるものは避けてください。上部フィルターのように、ろ過作用が強く消音のものがおすすめです。

 

知れば知るほど奥深いらんちゅう

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金魚の王様と呼ばれるらんちゅうについて詳しくご紹介しました。愛らしいフォルムはもちろんのこと、種類も豊富で色や柄を選ぶ楽しみもあり、立派に育てていく醍醐味も味わえるらんちゅう。知れば知るほど、心を奪われてしまいそうですね。

気になっている方は、こちらの記事を参考にまずはお気に入りのらんちゅうを探してみてはいかがでしょうか。