アクアリウム入門!熱帯魚飼育に必要なものと基礎知識まとめ

水槽の置いてあるオシャレな空間は、とても魅力的です。熱帯魚が泳いでいる姿を見ていると癒されますよね。しかし、初めて熱帯魚を飼育する人にとっては必要なものや飼育方法などわからないことが多くあげられます。

この記事では、アクアリウムを始める際に必要なものと知っておきたい基礎知識をまとめました。

 

熱帯魚の飼育に必要なものは?

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アクアリウムを始める前に、水槽、フィルター、底砂、水温計、サーモスタット付きヒーター、亜硝酸試薬などの準備が必要です。
全部揃えるには、おおよそ15,000〜20,000円程度あれば足りますよ。最低限、これだけは揃えるようにしてくださいね。
ほかにも、水槽を綺麗にみせるライトや、エアポンプや予備のヒーターを用意しておくと、何かと便利です。エアポンプは安いものなら2,000円程度で購入できます。グッズの利用目的や詳しい金額は関連記事でまとめています。

 

熱帯魚飼育の基礎知識を身につけよう

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アクアリウムを始める前に知っておくべき基礎知識をご紹介します。
どれも熱帯魚を長生きさせるために必要な知識なので、知っておくと安心ですよ。はじめに、水槽の立ち上げについて説明します。
熱帯魚の飼育を始めるには、1〜2ヶ月程度の時間をかけて水槽内を適切な環境にセッティングしなければなりません。このセッティングを、「立ち上げ」と呼びます。

 

水槽の立ち上げ手順は?

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水槽を立ち上げる手順は以下のとおりです。
1.水槽を洗う
2.底砂を洗って水槽に敷く
3.ヒーターやフィルターをセッティングする
4.水を入れる
5.ヒーターとフィルターを駆動させて2日ほどおく
6.パイロットフィッシュを水槽に入れて1ヶ月ほど様子を見る
7.亜硝酸濃度を計り、低ければ飼育する熱帯魚を水槽に入れる
人工的に作った入れ物の中で熱帯魚を飼育するには「濾過」の仕組みを作る必要があります。
濾過には大きく分けて「物理濾過」と「生体濾過」の2種類があります。「物理濾過」は餌の食べ残しや糞などのゴミを物理的にフィルターに引っ掛けて除去します。
生体濾過は水槽内で繁殖しているバクテリアによって、水質を熱帯魚が安定的に生活できる状態にします。

 

購入時は元気な子を選ぶ!

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購入する時にチェックしたいのは、健康で動きが良いかということです。

まず、元気に泳いでいることが大切です。明らかに弱っていたり、泳ぎ方がおかしい個体は避けてください。そして、発色や鱗、ヒレの状態を確認します。つやがあって、鱗やヒレが剥がれたり傷んでいない個体が良いです。目の濁りや、骨格の曲がりがないかも確認しておいてくださいね。

 

お店からの持ち帰り方

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お店で熱帯魚を購入すると、ビニール袋に水、酸素と一緒にパッキングしてくれます。温度と振動に注意しながら持ち帰ってくださいね。

熱帯魚にとって急激な水温変化は危険です。ビニール袋に入れた少量の水では、直射日光に当たっただけでもすぐに温度が上がってしまいます。夏は車の中の温度が上がりやすいので特に注意が必要です。逆に冬になると気温が下がるので、発泡スチロールなどの保温容器や新聞紙に包むなどするといいですよ。温度管理に気をつけて早めに部屋まで運びましょう。

また、移動中の振動にも気をつけてください。車で運ぶ時は運転していない人が手で持ったり、箱などを使って固定するなどしてできるだけ衝撃を与えないよう注意しましょう。毒を持つ魚は振動やストレスによって毒を出すことがあるので、自分の毒で弱ってしまう場合もありますよ。

 

生体濾過のプロセスは?

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生体濾過のプロセスは以下のとおりです。
1.熱帯魚の餌の食べ残しや糞が発生する
2.アンモニア(有害)が発生
3.アンモニアをバクテリアが分解
4.アンモニアが亜硝酸(有害)に変化する
5.亜硝酸をさらにバクテリアが分解
6.亜硝酸が硝酸塩(ほぼ無害)に変化する
水槽の立ち上げの際に水槽に入れる「パイロットフィッシュ」とは、生体濾過の流れを構築するまでに投入する、水質変化に強い熱帯魚のことです。
パイロットフィッシュの主な役割は、水槽に最初のバクテリアが発生するのに必要な糞をさせるためです。
おすすめのパイロットフィッシュは関連記事でまとめているので参考にしてくださいね。


生体濾過のプロセスが完成しているかをチェックするには、水槽内のアンモニア検出、亜硝酸検出、硝酸塩検出を順番に行っていく必要があります。
熱帯魚飼育の際に必要なグッズの中で亜硝酸試薬のみ必須としたのは、水槽立ち上げの際に苦戦する、亜硝酸値が下がらない「亜硝酸地獄」と呼ばれる期間の不安を軽減させるためです。
通常、毎日水槽内の1/3程度の水を換水し続けることで、亜硝酸値は徐々に下がっていきます。
その変化具合を可視化するために試薬が必要です。アンモニア試薬と亜硝酸試薬は不要という訳ではないので、必要であれば購入してくださいね。

 

熱帯魚を水槽に入れる際、必ず水合わせをしよう!

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水槽内で熱帯魚が安定的に生活できる状態になったら、いよいよ好みの熱帯魚の飼育を開始できます。
熱帯魚は種類ごとに得意な水質(酸性、アルカリ性)が分かれていることと、水質変化に敏感であることに注意してください。熱帯魚の購入前には、必ず得意な水質を確認してくださいね。
実際に熱帯魚を購入をしてきて水槽に入れる際には、「水合わせ」という作業で徐々に新しい環境に慣れさせないと、あっという間に死んでしまいます。初心者向けの水合わせの手順は以下のとおりです。

水合わせの手順

1.持ち帰り用の袋に入った熱帯魚を、袋内の水ごとプラスチックのカップなどに入れる
2.熱帯魚を入れたカップを30分ほど水槽に浮かべる
3.カップの水を3分の一ほど捨てて、水槽の水をカップに入れる
4.20分ほど待ってから、3の工程を繰り返す。
5.もう一度4の工程を繰り返してから、水槽に熱帯魚を移す
水質の急激な変化は熱帯魚の命を左右するので、時間をかけて丁寧に新しい環境に慣れさせてあげてください。
パイロットフィッシュを水槽に入れる際も水合わせは必要ですよ。

 

掃除

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水槽の掃除は水の汚れを防止し、見た目をきれいに保つためにも欠かせません。ガラス面は汚れが目につきやすい場所なので、付着したぬめりやコケなどはスポンジを使って拭き取ってくださいね。

底砂は熱帯魚の排泄物や食べ残したエサなど汚れが溜まりやすい場所です。かき混ぜたり大きく動かすような掃除法ではかえって水槽内の環境を悪化させかねません。網などで掬って取り除いたり、専用のクリーナーで吸い取るといいですよ。

ろ過フィルターは水の色などから判断して汚れが気になり始めたら早いうちに掃除をします。フィルターを止めてから、中のろ材を取り出します。ろ材には生物ろ過のためのバクテリアがすみ付いているので、水道水ではなく水槽の水を汲み置きしたもので軽くすすぐように洗い、汚れを落としましょう。フィルターの電源をオフにするとフィルター内は酸欠になりバクテリアにも影響を与えるので、できるだけ短い時間で済ませて電源を入れるようにしてください。

これらの掃除を一気に行うと水槽内の環境に影響を与えやすいので、それぞれ気になったときに別々に掃除するというのが、状態の良いきれいな水槽を保つのに大切なことですよ。


 

定期的な水換えが必要!

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立ち上げ後、水槽の水は、熱帯魚を飼育していれば必ず汚れていきます。
水槽内の水は週に一度、全体の1/3を目安に交換するようにしてください。水槽に入れる水は、一晩汲み置きして塩素を抜くことも忘れないでくださいね。

 

餌やり

素材 熱帯魚 餌 人工飼料

熱帯魚のエサには、人工飼料や生餌、冷凍、フリーズドライがありますが、一般的には人工飼料を用いることが多いです。フレーク状のものや顆粒状のものなど形や大きさは様々で、飼育している熱帯魚が好むものを選んでみてくださいね。

餌やりの頻度は1日1~2回で、魚が起きている明るい間に与えます。量は魚の状態を見ながら太り過ぎない程度、魚が2~3分で残さず食べられる程度の量が目安です。

エサのやり過ぎは、熱帯魚の健康を損なったり水質悪化の原因になるので注意が必要ですよ。特に立ち上げたばかりの水槽では、バクテリアの活動が十分でないため、余分なエサは水を汚す原因になりやすいです。


 

アクアリウムに挑戦しよう!

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本記事では飼育にチャレンジするのに必要な、最低限の知識をご紹介しました。
実際に熱帯魚の飼育を始めると、ここでご紹介した以外にもたくさんの知識が必要となります。実践を通して必要な知識を勉強をするのが一番です。
アクアリウムにトライして、その楽しさや難しさを体験してみてくださいね。