犬のアジリティー競技会とは?トレーニングは何をする?必要な道具や障害は?

誰でも気軽に参加ができるアジリティー競技ですが、競技に参加して障害物をクリアし、完走するにはトレーニングが欠かせません。

この記事では犬のアジリティーの準備やトレーニングの仕方についてまとめました。

 

犬のアジリティー競技会とは?

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アジリティー競技会とは、人と犬が一緒に参加する障害物競走のようなものです。

近年人気が高まっており、色々な団体が主催しています。主要な主催団体にJKC(一般財団法人ジャパンケネルクラブ)などがあり、主催者によって競技の内容が変わります。競技会には、難易度や体の大きさなどによって決まるいくつかのクラスがあります。

馬の障害馬場を元にしていて、犬とハンドラーと呼ばれる指示を出す人(飼い主)のペアで競技が行われます。
障害物を超えられなかったり、犬が指示を拒否したりするとタイム減点されますよ。最も速いタイムを出したペアが優勝となります。

アジリティー競技会の歴史や活躍する犬種について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。

 

犬のアジリティーの魅力は?

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運動量が多い犬にとってはいい運動になります。指示を出すハンドラーは愛犬にわかりやすいタイミングで指示を送るためお互いの信頼関係が大切ですよ。愛犬との絆を深められます。

また、レベルに合わせてスタートできる点も魅力です。初心者でも犬のしつけ教室や訓練所などでアジリティーを教えてもらえる場所が増えています。

さらに、犬の体の大きさで障害物の高さの設定も異なるので、自分の愛犬にあったスタイルで始めることができるのです。

 

犬のアジリティーに使う障害は?

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アジリティに使われる障害をご紹介します。

犬のアジリティに使う障害

  • ドッグ・ウォーク
  • Aフレーム
  • ロング・ジャンプ
  • ウォール(壁)
  • ウィービング・ポール(スラローム)
  • フラット(柔)・トンネル
  • タイヤ
  • チューブ・トンネル

 

犬のアジリティーに出場するには?

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アジリティーに出場するのは、基本的にどの犬でも参加可能ですよ。
ただし、犬種によっては激しい運動でケガなどをしてしまう恐れがありますので、向かない犬種もいます。愛犬の健康第一に取り組んでください。

アジリティーに出場するための準備や手続きについて、詳しくはこちらの記事で紹介しています。

 

どんな訓練をすればいいの?

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アジリティー競技では「ハードル」「ウォール(壁)」「タイヤ」「トンネル」「テーブル」「ドッグ・ウォーク(歩道橋)」「シーソー」「ウィービング・ポール(スラローム)」など様々な障害物が設置され、飼い主と犬が一緒に走って、全長100~200mのコースを早く正確にクリアすることを競います。

必要とされるトレーニングは、コースを早く正確に走り抜けるための訓練ですが、障害物の練習をする前に身に付けておかなければならない基礎科目があります。基礎科目は飼い主が自分で訓練できるので、自宅ではじめてみてくださいね。
 

停座(ていざ)

いわゆる「オスワリ」です。飼い主の指示に従って座るように訓練します。ほとんどの家庭犬ができますよね。
 

脚側停座(きゃくそくていざ)

ハンドラー左側にピッタリつけて座らせることです。訓練のはじめと終わりにとる姿勢です。ハンドラーの後ろを回って左側に座らせる方法と直接左側に座らせる方法の2種類があります。
 

脚側行進(きゃくそくこうしん)

「アトヘ」または「ツケ」の掛け声で、犬をハンドラーと調子を合わせて歩くように訓練します。最初はゆっくり歩くことから始め、リズムよく歩けるようになると、ハンドラーの速度に合わせて速く・遅く、真っ直ぐ・弧を描いて歩く、などの歩行ができるようにします。
 

停座および招呼(ていざおよびしょうこ)

「マテ」の掛け声で犬を座らせた後、ハンドラーが犬から離れ、「コイ」と呼ぶ動作です。犬がハンドラーの元へ来たら「ツケ」と命令してハンドラーの左側に座らせます。「マテ」「コイ」「ツケ」の一連の動作がスムーズにできるようにします。
 

伏臥(ふくが)

「フセ」の掛け声で、お腹を地面に着けるフセの状態のことです。訓練ではハンドラーの左側に座る「ツケ」の状態から「フセ」をさせ、3秒間フセを維持した後「ツケ」に戻るという流れになります。
 

立止

「タッテ」「タッテマテ」の掛け声で、立ったまま待たせます。合図があるまで立ったままの姿勢で待たせ、続いて「ツケ」で座らせることになります。
 

強制持来/持来(きょうせいじらい)

「クワエ」「ダセ」「モッテコイ」の掛け声で合図します。ハンドラーが投げたものを犬が取りに行き、持って戻って来た後、ハンドラーの「ダセ」の合図で離すように訓練します。
 

休止

これは「フセ」の状態から腰を崩した状態で待たせるものです。「ヤスメ」「ヤスメ・マテ」の掛け声で合図します。休止は「フセ」との違いを覚えさせなければなりません。

ヤスメができるようになったら、ハンドラーが見えない場所に行っても合図があるまでヤスメを維持できるように訓練します。

以上の基礎が身に付いていないと、障害物の前で「マテ」や離れた場所から飼い主が「コイ」と指示することができません。競技会場でのマナーを守るためにも、ここで紹介した基礎は最低限身に付けてください。

自分で愛犬を訓練できない場合は、訓練学校などでプロの手を借りるのがオススメです。

 

障害物を使った訓練のやり方は?

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基礎的な訓練は自宅でできますが、ハードルやトンネル、ポールなど、障害物を自宅で準備することは難しいですよね。競技会場でも、事前に障害物を見ることができるのはハンドラーだけで、犬に体験させることはできません。

どんなに運動が得意な犬でも、初めてのトンネルくぐり、ハードル、ドッグ・ウォークを一発でクリアするのは難しいのです。
事前に障害物に慣れ、スピードを落とすことなくクリアできるようになるには、訓練学校に通うのがおすすめです。

JKCの公認訓練学校もありますし、民間団体が運営している訓練学校もあります。検索すればたくさん情報が出てくるので、お近くの訓練学校に見学に行き、トレーナーに相談してみるのがオススメです。

実際にアジリティー競技会に出場しようとすると、多くの目標を立てる必要があります。本当に自分の犬が出場できるようになるか不安に思うこともあるかもしれません。

小さな目標を少しずつクリアしていくことで、大きな目標も現実的になるので、まずは基礎科目から訓練してみてくださいね。

 

犬のアジリティー、道具は?

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訓練に必要なものをひとつずつ挙げていきます。競技会に出るか出ないかに関わらず、持っていると便利です。実生活で役立つものもありますよ。

クレート

クレートは一般的にはプラスチック製で、車などで移動する際に犬を入れて運ぶ道具です。病院に通う、訓練学校に通うなど、移動するときに欠かせません。

犬が休憩する場としても使えますよ。普段からクレートの中で「寝る」「休む」「移動するときに静かに中で待つ」などの訓練しておくと、競技会場でもクレートの中でリラックスすることができ、ストレスを軽減できますよ。

クレートについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。

首輪・リード

基礎的な訓練はリードを付けて行いますので、普段から首輪とリードは必ず付けるようにします。首輪と首の間に飼い主の指が1~2本入るくらいのサイズの首輪を選び、長さが変わらない紐タイプのリードを使って訓練するのが一般的です。

リードを引くと首回りが締まるタイプのチョーク・チェーンは扱いが難しいので避けてください。使うとしても、トレーニングの専門家のアドバイスを受けてから使うようにしてくださいね。

首輪について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
また、リードについて、詳しくはこちらの記事で紹介していますよ。

ごほうびのオモチャ、おやつ

訓練に欠かせないのが「ご褒美」です。訓練を上手くいかせるポイントは、「訓練=楽しいこと、嬉しいこと」と犬に覚えてもらうことです。

うまく出来たら「褒めてもらえる」「遊んでもらえる」「美味しいおやつがもらえる」というご褒美を用意してあげます。オモチャや美味しいおやつを準備し、犬を褒め、遊び、おやつで犬のモチベーションを高く維持しながら訓練を続けてあげてください。

「飼い主と引っ張り合いができるようなオモチャ(ボールにヒモが付いたようなオモチャ)」「カリカリタイプのおやつ」「チーズや内臓系などの匂いが強く嗜好性の高いおやつ」など、複数のご褒美を準備し、訓練内容や成功度合に応じて使い分けるようにしてくださいね。美を準備し、訓練内容や成功度合に応じて使い分けるようにしてくださいね。

犬の人気のおもちゃについて、こちらの記事で紹介しています。
また、犬の人気のおやつについて、こちらの記事で紹介しています。