保健所から猫を譲り受けたい!どんな猫がいるの?注意点はある?必要なものや主な流れは?

猫を飼いたいと思ったとき、ペットショップやブリーダーから購入以外に保健所から譲り受ける方法があります。保健所では年間に何万匹もの猫が殺処分されており、命の期限を決められた多くの猫達が、里親になってくれる人を待っていますよ。

この記事では、保健所から猫を譲り受ける方法や注意点、必要なものや主な流れについてまとめました。

 

保健所って何?

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保健所とは、各市町村にある地域住民の健康や衛生を支える、厚生労働省管轄の公的機関です。保健所は、動物取扱業の認定や、野犬・野良猫の管理及び殺処分、また引き取り先の募集など、動物に関係のある業務も行っています。

保健所で一定期間保護された後、引き取り手が見つからなければ、その動物は殺処分されます。猫だけでも年間5万匹以上が殺処分されています。

 

保健所にいる猫はどんな猫?

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保健所に保護される猫の85%が捨て猫や迷子猫などの所有者不明の猫です。残りの15%は飼い主やペット業者からの持ち込みです。

 

所有者不明の猫

所有者不明の猫は、野良猫や迷子猫、捨て猫のことです。家から脱走してしまい、迷子になっている飼い猫が、近所の人の通報で保健所に保護されることがあります。また、飼い猫が妊娠してしまい、生まれた子供を飼育困難として捨ててしまうこともあります。そういった猫たちが、避妊去勢手術をしていないために、交尾を繰り返し、野良猫が増えていきます。

 

飼い主からの持ち込み

「引っ越し先がペットが禁止だから」「いうことを聞かないから」といった人間側の自分勝手な理由で保健所に持ち込まれる猫も後をたちません。また、避妊去勢手術をしないまま多頭飼育した結果、繁殖してしまい、飼い主の手に負えなくなり、保健所に持ち込むケースもあります。

 

保健所から猫を引き取る前に考えておくべきことは?

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保健所から猫を譲り受けるにはいくつかの条件をクリアする必要があります。自分勝手な飼い主の都合で保健所に連れてこられる猫達が少なからず存在します。このような不幸な猫たちをこれ以上増やさないためにも、猫を飼う前にしっかりと考える必要があります。

保健所から猫を譲り受けるための条件

  • 保健所の管轄する自治体に住んでいるか
  • 成人であるか
  • 家族全員の同意があるか
  • 動物を終生にわたり、責任をもって飼育できるか
  • 動物を飼うことができる住宅に住んでいるか
  • 動物を飼うための時間的、経済的余裕があるか

猫を飼うことのできる住宅に住んでいることは必須条件のひとつです。また、猫を飼うための経済的余裕があるかどうかも重要です。えさ代の他に、病気や怪我をした時の医療費が必要になります。そして、きれい好きな猫のために1日数回のトイレの掃除をしたり、きちんと数回に分けて正しい量の食事を与えたりと、時間的余裕があることも必要ですよ。

 

保健所から猫を譲り受けたい!必要なものや主な流れは?

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保健所から猫を譲渡してもらう流れ

  • 各自治体の掲げる譲渡条件を満たしているかどうかを確認する
  • 譲渡事前講習会を受講する(要予約)
  • 実際に猫と対面して、申し込みをする
  • 譲渡講習会を受講する(要予約)
  • 書面による手続き

譲渡の際に必要なもの

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証)
  • ペット可の集合住宅・賃貸住宅の管理規約、契約書など
  • 首輪・リード・キャリーバッグなど

保健所から猫を引きとる流れは、その自治体によって異なるので、住んでいる自治体のホームページなどを確認してください。ペット可の住宅に住んでいることの証明は、賃貸住宅や、分譲マンションなどの場合必要になります。管理規約や、契約書を事前に準備すると良いですよ。

 

保健所から猫を迎え入れる時に気をつけることは?

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猫に信用してもらう

猫を保健所から譲り受けたら、まずは猫にこちらを信用してもらうことが大事です。一度保健所に収容された猫は、人間への恐怖心を持っていることが多く、すぐには落ち着きません。しばらくは、「こちらに敵意のないこと」、「この場所は安全であること」を示してあげることが必要です。

 

避妊去勢手術

猫が慣れてきたら避妊去勢手術をしましょう。猫の繁殖力はとても高く、保健所に保護されるのも犬よりも猫の方がはるかに多いです。そのため、避妊去勢手術が譲渡条件に含まれている自治体もあります。

 

脱走対策

脱走や迷子で再び保健所に保護されることのないように、脱走対策に力を入れます。もし脱走してしまった時、猫の身を守るために病院でワクチンの接種をしたり、迷子札付き首輪やマイクロチップも有効ですよ。脱走時に妊娠しないために避妊去勢手術も必ず行います。

 

殺処分を減らす取り組み

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近年、犬猫の殺処分が減少傾向にあります。それは地域の保護団体や里親サイトの協力が大きく関わっています。

保護団体が保健所よりも先に保護して里親募集をしてくれたり、保護猫カフェに委託したりと、保健所に保護される猫を減らしているのです。そして、里親サイトとの連携では、保健所に収容されている猫をサイトに掲載し、広く里親を募集しています。

これから猫を飼いたい人は、保護猫を選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。