犬の鼻づまりには単なる一過性の体調不良により起こる場合もありますし、なんらかの病気が原因の場合もあります。呼吸困難を引き起こす可能性があるため、原因をつきとめて早めの対処が必要となります。
この記事では鼻づまりの原因や病気、対処法などについてまとめました。
犬の鼻づまり、どんな症状?

鼻づまりとは鼻がつまっているために呼吸が苦しそうになっている状態の事をいいます。鼻の粘膜が膨らみ呼吸を妨げている場合と鼻水が大量に分泌されて呼吸が妨げられる場合があります。
見た目では判断できませんが、寝ている犬の鼻の前に手鏡をおいても曇らなければ鼻が詰まっている状態とわかります。
犬の鼻づまり、原因は?

鼻づまりの原因
- 病気
- 生理現象
- 老化現象
鼻づまりの原因には、病気と生理現象、老化などがあります。
原因その1:病気
鼻づまりを起こす病気
- アレルギー
- 副鼻腔炎
- 腫瘍
- 歯周病
- ポリープ
- 感染症
鼻づまりが起こる病気には、アレルギー、副鼻腔炎、腫瘍、歯周病、ポリープ、感染症などがあります。
アレルギーによる鼻づまりは、免疫機能がアレルゲン(アレルギーの原因物質)に過剰に反応する事により起こります。
副鼻腔炎は副鼻腔(鼻の奥の空洞になった骨のスペース)とよばれる場所が炎症した状態で、ウイルスや細菌などが原因により起こります。
鼻の周囲に腫瘍ができると鼻の穴を塞いでしまうため、鼻づまりが起こります。
歯周病は進行すると上顎から鼻へ炎症が進んでいくため、鼻づまりの原因となります。
ポリープは発生数が少ないですが鼻の粘膜に発症し鼻の中を狭くするため鼻づまりが起こります。
ウイルスや細菌、カビなどによる感染症も鼻づまりの原因となります。
原因その2:生理現象
鼻の中に異物が入り込むと、鼻の粘膜が炎症を起こすため鼻づまりが起こります。生理現象の一つで、異物を追い出そうとする生理機能によりくしゃみを連発するようになります。異物にはティッシュの屑や何らかの破片などがあります。
原因その3:老化現象
老齢になると鼻を常に湿らせておく分泌腺の機能が低下します。鼻が乾燥しやすくなり炎症を起こしやすくなります。鼻の中に炎症が起こると鼻の穴が狭くなり鼻づまりを起こしてしまいます。
犬の鼻づまり、発症しやすい犬種はいる?

基本的に鼻づまりはどの犬種でも罹患する確率は同じとされています。ただ、鼻の腫瘍に関しては、長頭種(マズルが長い犬種)に多いとされています。
老化により発症することが多くなるためシニア犬は注意が必要になります。
犬の鼻づまり、発症してしまった場合の対処は?

まずは鼻づまりが長引くようでしたら、動物病院で原因を特定する必要があります。
病気
病気により鼻づまりが発症してしまった場合、病気の特定とその治療が大切になります。免疫力が低下しないように食事による栄養管理を大切にしてくださいね。
生理現象
異物による鼻づまりは異物の除去を行う必要があります。鼻の粘膜を傷つける可能性を考慮し獣医師に行ってもらうようにしましょう。無理に自分で取り出そうとはしないでくださいね。
老化
老化による鼻づまりは乾燥によるものですので、加湿により対処できます。加湿器などを活用し湿度を管理してあげて下さい。老齢犬では70%くらいが適度とされています。特に冬場は空気が乾燥しやすくなるので湿度の調整に気を配ってあげてくださいね。
犬の鼻づまり、どんな検査が必要?

鼻づまりの検査方法
- 血液検査
- レントゲン検査
検査1:血液検査
鼻づまりの検査では血液検査が主に行われます。副鼻腔炎やアレルギーの有無などを確認する事ができます。これにより原因を特定し、今後の治療方針を決定していきます。
検査2:レントゲン検査
腫瘍が原因の場合にはレントゲン検査により確認が行われます。鼻の穴の炎症や膿が溜まってないかも確認する事ができます。腫瘍が認められた場合には外科的手術を行うことがあります。鼻の中の炎症や膿が認められた場合には薬を使用した化学療法を行います。
犬の鼻づまり、対策するには?

犬の鼻づまりを対策するには、免疫力を高め病気になりにくい体を作る事が大切です。栄養バランスのよい食事、適度な運動、清潔な生活環境などを心がけるようにします。
日頃の観察で早期発見を

鼻づまりが起こった場合、加湿やアロマ、ツボマッサージなど鼻づまり解消法により症状をやわらげることができる可能性があります。ただ、自分の力で解決できそうにない場合には必ず動物病院を受診してくださいね。
愛犬を日頃からよく観察し、異常を感じたら獣医師に相談するなど病気の早期発見に努めることが大切です。