犬の睡眠時間は1日どれくらい?子犬だと?睡眠時間が長い理由は?

犬 睡眠3
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

知らない方も多いのですが、犬はよく眠る動物です。睡眠時間が長いのは、睡眠が犬にとって大切な時間だからです。

1日の睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?犬の眠りの長さやメカニズムなどを理解し、十分な睡眠時間を確保してあげてくださいね。

幼犬・成犬・老犬の睡眠時間は?

犬 睡眠1

適切な睡眠時間
成犬(1~6歳) 12~15時間
幼犬・老犬 18~19時間

犬種によって差はありますが、ワシントン大学の調査によると成犬(1~6歳)の適切な1日の睡眠時間は12〜15時間、幼犬や老犬の睡眠時間は18~19時間です。

幼犬は多くのことを学習するためにあちこちを動き回りるので、エネルギーをたくさん消費します。その分、睡眠時間を多く確保する必要があります。授乳中であれば、お乳をもらう以外の時間はほとんど寝て過ごします。

老犬は成犬に比べて体力が衰えており、より多くの休息が必要なため、睡眠時間が成犬より長くなります。

出典:ワンペディア「犬の睡眠時間ってどのくらい?【獣医師が解説】」

 

犬の睡眠、特徴は?

犬 睡眠2

犬の睡眠の特徴

レム睡眠が8割を占める

睡眠には浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠の2種類がありますよね。

幼犬期の成長ホルモン分泌はノンレム睡眠の時に盛んになります。成犬にとっては起きているときに受けたしつけや訓練などの記憶を脳内で整理する大切な時間でもあります。

犬の場合、浅いレム睡眠の時間が約8割を占めています。愛犬のしぐさでレム睡眠かノンレム睡眠かを判断することができますよ。

「あごを地面につけながら眠っているとき」はレム睡眠です。更にリラックスして「地面からアゴを離して横倒しになっている」「手足を広げて無防備な姿のとき」はノンレム睡眠に入っており、熟睡しています。

飼い主の目の前でノンレム睡眠に入っている場合、深く信頼している証拠でもあります。飼い主さんにとっては嬉しい姿ですね。

 

犬の睡眠時間、長い理由は?

犬 睡眠4

犬の睡眠時間が長い理由

野生のときの名残

犬の睡眠時間が長い理由は、野生のときの名残だといわれています。

 

犬の睡眠が長い理由1. 「昼夜が逆転していた」

犬は雑食動物ですが、昔は狩りをして生活をしていました。狩りは気配を隠しやすく獲物を狙いやすい「夜」の方が適しています。犬は夜に行動ができるように、日中によく寝ていたのです。

やがてペットとして人に飼われ、狩りをする必要がなくなりました。人間の時間に適応して夜にも眠るようになったのです。

もともとあった日中に眠る性質が今も残っているため、犬は昼も夜もよく眠るようなり、睡眠時間が伸びたといわれています。

 

犬の睡眠時間が長い理由2. 「レム睡眠の長い眠り方」

狩りの際に自らが襲われることもあります。動物が活動する昼間に睡眠することを選択した犬にとって睡眠時間は特に危険ですよね。

気配を感じたらすぐ動けるように、進化の過程で睡眠時間の多くを、眠りの浅いレム睡眠にすることが求められました。「レム睡眠が睡眠の8割を占める」のはこのためです。

犬にはまとまった時間で睡眠をとる習慣がなく、活動の合間をみつけてはこまめに眠る習慣があったので、睡眠時間は総じて長いといわれています。

 

眠っている犬の様子がおかしい場合

犬 睡眠5
眠っているのに鳴き声をあげたり、動いたりする場合、犬が夢をみていることが考えられます。レム睡眠のとき、人間と同じように犬も夢を見ます。

夢でうなされて大きな鳴き声を上げたり、不自然に体を動かしたりすることもありますが、人間の寝言や寝返りと同じなので心配はいりません。

無理に起こすと、子犬であれば成長ホルモンの分泌が阻害され、心身の発達に影響が出る恐れがあります。成犬であれば、眠っている間に行われる脳の整理が不十分となり、しつけや訓練の成果が現れにくくなりますので、そっとしておいてあげてくださいね。

あまりにも不自然な場合は、病院で診察してもらってくださいね。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
いびきをかいている場合は注意が必要です。気管虚脱や老化によっていびきをかくことがあります。睡眠時無呼吸症候群になる可能性もあるため、いびきがひどい場合は動物病院を受診することをおすすめします。

 

愛犬が安心して眠れる寝床を

犬 睡眠6
1日の半分以上を寝て過ごす犬は人間から見れば眠りすぎのように感じるかもしれませんが、犬の眠りの長さやメカニズムには様々な理由があるのです。

毎日長時間眠る犬のために、体の大きさに合った専用の寝床を用意し、いつでもぐっすり眠れるような環境を作ってあげてください。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートなど外出時に使用するものを寝床にするのがおすすめです。クレート=安心できる場所と認識させることで外出時、スムーズにお出かけができますよ。

関連記事