犬も花粉症になる!症状と対策は?薬治療は必要?

愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

人間と同じように犬も花粉症になります。春や秋に、体を地面や壁にこすりつけていたら花粉症の可能性があります。

この記事では、犬の花粉症の症状や対策、治療方法についてまとめました。

犬の花粉症、人との違いは?

犬と人の画像
花粉症は犬にみられることもありますが、人間と犬では症状に違いがあります。

人では花粉症と呼ばれていますが、犬では花粉症とは呼ばずにアレルギー反応といわれています。

人間の花粉症はくしゃみや鼻水などの症状がほとんどですが、犬の症状はそれらに加え皮膚のかゆみや炎症、外耳炎などがあります。脇、内股、指の間、膝、耳などにかゆみがみられることが多いです。

皮膚の炎症や外耳炎を放っておくと、炎症が全身に広がるリスクが。かゆみを我慢できない犬が全身をかき続けると、皮膚が膿んだり、毛が抜けたりすることがあるので早めに動物病院へ連れて行ってください。

そのほかの症状

花粉症の症状は皮膚に表れやすいですが、咳をするようになったり目ヤニが増えたりなどの症状も。

また、体のあちこちをなめたり、目をかゆがる様子もうかがえるかもしれません。

普段とは違う様子がみられるようになったら、なるべく早く病院へ行きましょう。

犬の花粉症、診察と治療は?

犬を診察している画像
犬が継続してかゆがる場合は、動物病院に連れて行ってください。血液検査で原因を特定できます。花粉が原因であれば、症状を和らげる対症療法や、根本的に花粉症を治す治療が行われます。

症状が軽い場合の対症療法

症状が軽い場合、ステロイドや抗生剤などが処方されます。しかしステロイドは一時的に症状を抑えるだけで根本的な解決にはなりません。

長期間にわたって使い続ければ副作用の心配もあるので注意が必要です。

症状が重い場合の治療

症状が重い場合、薬が効きづらいので、脱感作療法が行われます。花粉症の原因となる抗原(こうげん)を少しずつ体に投与し、徐々に抗原に慣れさせアレルギーが起こりにくい体質を作っていく治療です。

時間と費用はかかりますが、根本的な解決が可能なのでおすすめです。

自宅でできる犬の花粉症対策

外を見る犬の画像

対策

花粉が最も飛ぶ時間帯の散歩は避ける
散歩から帰宅したら花粉を落とす
ブラッシングをこまめに行ったり、シャンプーの頻度を増やす
家の中の掃除を念入りに行う

愛犬に花粉症の症状がみられるときは、花粉が最も飛んでいる昼の12時頃と夕方の6時頃の外出を控えてあげてください。

他の時間帯でも外にでる場合、帰ったら家に入る前に犬についた花粉を落としてあげます。濡れタオルで体を拭いてあげると簡単に花粉を落とせますよ。顔や脚には花粉が付きやすいので、特に念入りに拭きとるようにしてくださいね。

忘れがちですが、飼い主さんの花粉も落としてから家に入ってください。花粉防止スプレーが犬用、人用共に販売されているので試してみてください。室内は、空気清浄機などで花粉を取り除くことをおすすめします。

ブラッシングやシャンプーも対策としてあげられます。ブラッシングはお散歩に行って帰ってきた際に花粉を落とすために行うことをおすすめします。

また、家の中の掃除も大切です。人や犬の出入りがあり花粉も落ちることから家にも花粉がある可能性があります。掃除機や水拭きを行い定期的に掃除を行いましょう。

犬がかゆがっている場合は病院へ

犬の鼻を拭く画像
人間にも犬にもつらい花粉症の季節ですが、快適に過ごせるように日頃から工夫を心がけてあげてくださいね。

犬の花粉症は、症状が人間と違うため気づきづらいです。かゆがっている仕草が頻繁にみられたら病院へ連れて行ってあげてください。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
花粉が飛ぶ時期、特に春や秋は注意しましょう。お散歩のときに花粉から体を守るために洋服を着させることもおすすめですよ。

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