犬にとって吠えることは、自分の主張や感情を表す方法の一つです。
飼い主さんを悩ませる無駄吠えにも何かしらの原因がある場合がほとんどなので、原因がわかると愛犬への理解が深まりしつけの役にも立ちますよ。
この記事では、犬の無駄吠えが起こる原因9つについてまとめました。
犬が吠える理由は?
犬が吠える9つの理由
- 要求吠え
- 興奮吠え
- 不安吠え
- 恐怖吠え
- 縄張り吠え
- 痛み吠え
- 副作用吠え
- 認知症
- つられ吠え
要求吠え
犬が吠える理由で、最も多いのは要求吠えです。
「食事が欲しい」「散歩に行きたい」「もっと遊びたい」「かまって欲しい」「ケージから出してほしい」など要求の内容は様々で、自分の要求が聞き入れられるまで、吠えてアピールし続けますよ。
興奮吠え
「退屈している」「遊ぶ時間が少ない」「運動不足」などエネルギーが有り余っている場合に吠えるのが、興奮吠えです。
また、「飼い主さんが帰ってきた」「友達の犬に会って遊びたい」「好きな食べ物やおもちゃを目の前にした」時などにも、嬉しくて吠えることがありますよ。
興奮した犬は問題行動を起こしやすいので、早めに抑えるもしくはできるだけ興奮させないようにすることが大切です。
不安吠え
飼い主さんに相手にしてもらえなかったりして不安を感じた時に鳴くのが、不安吠えです。
夜さびしくて夜鳴きをするときもこの吠え方をしますよ。
「1人で留守番する時間が長い」「外に繋いでほったらかしにされている」場合などによく見られるので、普段からコミュニケーションを頻繁に取ることが大切です。
恐怖吠え
雷の音や花火の音など大きな音に恐怖を感じた時に吠えるのが、恐怖吠えです。
人見知りをする犬では、「見知らぬ人が家に来た」「家のチャイムが鳴った」「初めて会った犬に対して恐怖を感じた」場合などにも吠えることがありますよ。
恐怖の対象はそれぞれの犬で違うので、しっかりと原因を把握し解決してあげることが大切です。
縄張り吠え
自分のテリトリーに侵入した相手を追い払い、仲間である飼い主さんに知らせるために吠えるのが縄張り吠えです。
郵便配達や宅急便の人などの他人が、自分の敷地に入ってきた場合などにみられます。
いきなり窓に向かって吠え出した場合は、窓から外を通る人の姿を見て縄張り吠えをしていることが多いですね。
痛み吠え
「何かにぶつかった」「痛みを感じた」「患部に触れた」場合などに、高い声でキャンと鳴くのが痛み吠えです。
ケガや病気で痛みが続く場合には、弱い声でクーンクーン・キューキューなど鳴き続けることもありますよ。
基本的に犬は我慢強いと言われていますが、痛みが強いと我慢しきれずに声が漏れるような吠え方をする場合もあります。様子がおかしい時は早めに病院へ連れていくようにしてくださいね。
副作用吠え
糖質コルチコイドの投薬の副作用で、犬の行動や性格に変化がみられる例が確認されています。
「神経質になる」「ちょっとしたことで吠え始める」「餌を守るためや様々な警戒心から唸る」などの行動が増えることもあるので、投薬が必要な場合は医師と相談しながら使用量を減らすなどの対策が必要になります。
認知症
認知症の症状として、「知っている人に吠える」「吠え続ける」「夜中に遠吠えをする」などの無駄吠えをすることがあります。
加齢による脳細胞の減少が原因なので根本的な解決は難しいですが、動物病院で診察を受けて獣医さんのアドバイスを受けるようにしてください。
つられ吠え
犬は群れを作って生活してきた動物なので、他の犬につられて吠える場合があります。
多頭飼いをしている場合は、1頭吠える犬がいると他の犬も一緒になって吠えることが多くなります。リーダー格の犬に吠え癖がある場合は、つられ吠えが発生しやすいので無駄吠えのしつけをしっかり行うことが大切ですよ。
ちなみに、救急車やサイレンの音に反応して遠吠えするのもつられ吠えの一種だといわれています。
犬の無駄吠え、吠える対象は5種類?
犬が吠える5つの対象
- 人に吠える
- 犬に吠える
- 他の動物に吠える
- 音に吠える
- 乗り物に吠える
人に吠える
犬が飼い主さんに吠える場合は、要求吠えであることが大半です。
吠えさせないためにも、「適切な食事・運動」「コミュニケーション」などを十分に満たしてあることが大切です。
もし、上記を満たしても自分勝手な要求をする場合は、相手にしてはいけません。一度でも要求吠えに応えてしまうと、犬は吠えれば要求が通ると学習し、思い通りにならなければすぐに吠えるようになってしまいますよ。
相手が知らない人や来客の場合は、恐怖や縄張り意識で吠えているのだと考えることができます。子犬の頃からたくさんの人と触れ合う機会を作り、人に慣れさせておくことも忘れないでくださいね。
犬に吠える
吠える対象が仲の良い犬であれば、会えたことに興奮したり遊ぼうと誘うために吠えている場合が多いですが、相手がよく吠える犬であればつられ吠えの可能性が高いですよ。
見知らぬ犬の場合は、警戒心や恐怖心から吠えていることが多いですね。
他の動物に吠える
警戒心や恐怖心が大きいと、見知らぬ人や犬と同じく他の動物にも吠えることがあります。
好奇心の強い犬であれば、初めて見るものに対して興奮していることも考えられますよ。
音に吠える
インターホンの音は来客の合図なので、興奮吠えや恐怖吠え・縄張り吠えの可能性があります。
電車の音や雷や花火などの大きな音の場合は、恐怖や不安から吠えている場合が多いですね。
乗り物に吠える
通り過ぎる車や電車・自転車などの乗り物に吠える犬は多いです。
乗り物は音を出し速いスピードで通り過ぎていくので、犬にとっては恐怖の対象にほかなりません。また、動くものを見て興奮して吠えていることもありますよ。
犬の無駄吠え、吠え方で理由を判断できる?
吠え方で無駄吠えの理由を判断するポイント
- 声の高低
- 吠える回数
- 吠える長さ
犬は「声の高低」「吠える回数」「吠える長さ」を使い分けて、感情を表現したり周囲に意思を伝えます。
声の高低
高い声で吠えている場合は興奮状態、もしくは敵意を抱いているわけではないと考えることができます。来客の時であれば、嬉しさや歓迎を表していることがほとんどですよ。ただ、声が低い場合は警戒していることが多いですね。
吠える回数
吠える回数が少なく断続的な時は、相手に対する興味から吠えていることが多いですよ。
絶え間なく鳴き続けている場合は、恐怖や危険を感じて興奮している状態だと考えられます。
吠える長さ
「ヴーッ」「ヴッヴッ」と短く吠える場合は、相手に対して恐怖心を抱いていたり相手を疎ましく思っていることが多いです。
「ヴーッヴーッヴーッ」と長く唸っているような場合は、近づくと怪我するぞという警告を意味しています。この警告を無視して睨み返したりすると攻撃されるので、ゆっくりとその場を離れるようにしてくださいね。
ワンちゃんを理解しよう!
愛犬の行動をしっかり観察することで、無駄吠えの原因がわかることも多いです。
無駄吠えであれば原因から解決策を考えればいいのですが、痛みや薬・病気など内的な要因が吠える理由になることもあります。
解決が難しい場合は病院や専門家に相談してみると良いアドバイスをもらえることもあるので、病院や獣医さんをうまく活用して楽しいドッグライフが送れるようにしてあげてくださいね。
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