セイタカシギの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

セイタカシギは、チドリ目セイタカシギ科の留鳥です。その名の通り、背の高い印象がある鳥ですよ。非常に長い足や小さな頭がまるでモデルのような「水辺の貴婦人」です。

この記事ではセイタカシギの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

セイタカシギの特徴は?

セイタカシギ1
大きさ 体長:37㎝
足の長さ:25㎝
外見の特徴 長い足
はっきりとした白黒の羽毛
頭頂部は黒色(夏羽)

セイタカシギは全長37cm、翼開長(翼を広げた大きさ)は70cmです。特徴的な足は、付け根から指先までの長さが25cmもあります。

首から腹にかけては白色で、背面はオスは光沢を帯びた黒色、メスは茶色がかった灰色です。赤い瞳と足、長く黒いくちばしを持っています。

夏羽は頭頂部から後頭部までが黒色になります。冬羽になると白色または灰色になりますよ。

幼鳥は背面が赤茶色で頭部に茶色いまだら模様があり、羽のふちが白くなっています。若鳥は成鳥のメスに似ていますが、風切羽に茶色味があり、足の色がより淡いという特徴があります。

 

セイタカシギの生態は?

セイタカシギ

生態

  • 動物食
  • 繁殖
  • ヒナは自力で餌を探す

動物食

セイタカシギの食性は「動物食」で、昆虫・エビやカニなどの甲殻類・小魚・ゴカイなどを食べます。

長い足で水辺を歩き回り、くちばしを水中に斜めに差し込んで餌を獲ります。足が長い分、干潟などの浅瀬で競合するサギや他のシギ・チドリ類よりも深い場所にまで行くことができますよ。

採食中は首を振りながら歩き、海水域で餌を獲った後には淡水域で水浴びを行います。

 

繁殖

繁殖期はつがいで生活し、縄張りを持ちます。非繁殖期はつがいを中心とした小さな群れで生活していますよ。

繁殖期は5~7月、日本では4~6月です。オスメス共同で水際の開けた場所に浅い窪みを掘り、小石や植物片を敷いて巣を作ります。1回に3~4個の卵を産み、オスとメスが22~25日間の抱卵を行いますよ。

水際に巣を作るため水害などの気象の影響を受けやすく、卵を狙う外敵もいるため孵化率は2割弱といわれています。

 

ヒナは自力で餌を探す

ヒナは孵化してすぐに巣を離れ、自力で餌を探し出して生活します。親は遠くから見守り外敵からヒナを保護しますが、餌の取り方はヒナに教えません。

 

セイタカシギの分布は?どこに生息している?

セイタカシギ2
セイタカシギはヨーロッパ・アフリカ・アジア南部を中心に広く分布し、「海岸近くの水田」「河口」「干潟」「池沼」「茂みのある浅い水たまり」などに生息しています。

日本では「旅鳥」または「留鳥」で、ほぼ全土の各地でまれに見られますが、個体数は少ないです。千葉県習志野市の谷津海岸などでは毎年観察されています。

 

セイタカシギの鳴き声は?

セイタカシギ4
非繁殖期は「ビューイッ」という地鳴きをし、繁殖期や警戒時には高く鋭い声で「ケレッ、ケレッ、ケレッ」と鳴きます。飛び立つ時には、澄んだ細い声で「ピピッ」と鳴きますよ。

 

絶滅の危険性も

セイタカシギ5

現代において、人間の環境破壊や開発による森林伐採の影響で世界中の鳥類が数を減らしています。セイタカシギも例外ではなく、日本国内でも環境省によって絶滅危惧種に指定されています。

国際自然保護(IUCN)では、2004年から軽度懸念の指定を受けていますが、数は増加傾向にありますよ。

我々人間が自然を大切にし、野生生物との共存に積極的な姿勢を見せることが求められています。身の回りをもう一度見直し、環境に優しい生活を目指したいですね。