サンショウクイの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

サンショウクイは、スズメ目サンショウクイ科に分類される夏鳥です。

サンショウクイという名前は、「ヒリヒリ」と鳴く様子が「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざを連想させることに由来していますよ。

この記事では、サンショウクイの特徴、生態や分布、鳴き声についてまとめました。

 

サンショウクイの特徴は?

サンショウクイ3
大きさ 20cm
外見の特徴 黒くなっている過眼線と後頭部(オス)
灰色をした体上面(オス)
外側が白くなっているしっぽ(オス)
わずかに白くなっている額(メス)
灰色をしている頭頂~後頭部(メス)

サンショウクイの大きさは全長20cm、翼開長(翼を広げた大きさ)が28cmほどの小型の鳥です。オス・メスともにスマートな体型をしていますよ。

オスは顔からお腹にかけてが白く、過眼線と後頭部が黒くなっています。体上面は灰色で、長いしっぽは外側が白くなっていますよ。

メスはオスに比べて額の白い部分が狭く、頭頂から後頭部にかけて灰色になっています。

 

サンショウクイの生態は?

サンショウクイ1

生態

  • 秋の渡り前に大群を形成
  • 動物食
  • 繁殖

秋の渡り前に大群を形成

日本では、平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息しており、小さな群れで生活しています。

ただ、秋季の渡り前になると150羽にもなる大規模な群れを形成しますよ。

 

動物食

サンショウクイの食性は動物食です。

枝先などから飛び立ってフライングキャッチをして、昆虫類などを捕食しますよ。

 

繁殖

日本での繁殖期である5~7月になると、高木の横枝に樹皮や細枝などを使って椀型の巣を作ります。

クモの巣を使ってウメノキゴケを一面に貼りつけ、産座にはススキや獣毛など糸状の素材を敷き詰めたフワフワな巣に仕上げますよ。

1回に4~5個の卵を産み、メスが行う17~18日間抱卵を経て孵化します。ヒナは、およそ14日で巣立っていきますよ。

 

サンショウクイの分布は?どこに生息している?

サンショウクイ4
サンショウクイは、サンショウクイ科の中でも最も北に住むといわれています。

日本・韓国・中国・台湾などを中心としたアジア地域やロシア東部に分布し、主に森林や広葉樹のよく繁った林に生息していますよ。市街地や住宅街で見かけることもあります。

夏季にウスリーや朝鮮半島で繁殖を行い、冬季は中国南部から東南アジアで越冬しますよ。

 

サンショウクイの鳴き声は?

サンショウクイは「ヒリヒリン、ヒリヒリン」や「ヒリリリ」などと聞こえる声で繰り返しさえずります。

求愛や縄張り宣言などの際にさえずることが多いですが、渡り途中などの飛翔中にも必ずといっていいほど鳴いていますよ。

 

環境保全について考え直してみよう!

サンショウクイ2
人間の開発による森林伐採などの影響で、現在多くの鳥類が個体数を減らしています。サンショウクイも例外ではなく、越冬地を含む生息地の減少が問題となっていますよ。

我々の生活を極端に見直すことは難しいかもしれませんが、常日頃から些細なことでも環境破壊に繋がることは避け、少しずつでも自然を再生できるよう心がけたいものですね。