カヤクグリの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

カヤクグリは、イワヒバリ科カヤクグリ属に分類される漂鳥です。冬はヤブの中で潜むように生活するので、姿を見ることが難しい鳥でもあります。

この記事ではカヤクグリの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

カヤクグリの特徴は?

カヤクグリ
大きさ 14cm
外見の特徴 目の周りにある細かい白斑
赤みのある褐色をした体上面
胸から体下面は灰色
下腹にある茶色の縦斑

カヤクグリの大きさは全長約14㎝、翼開長(翼を広げた大きさ)が約21㎝、体重15~23gほどです。スズメと同じくらいの大きさですよ。

オスとメスは同色で、地味で目立たない色彩をしています。頭は暗い茶色をしていて、赤褐色(赤みを帯びた茶色)の体の上側には模様が入っています。胸と腹は灰色をしていて、体の側面からしっぽにかけては褐色(やや黒みを帯びた濃い茶色)の模様が入りますよ。

 

カヤクグリの生態は?

カヤクグリ

生態

  • 亜高山帯から高山帯にかけての林や岩場に生息
  • 雑食性
  • 群れで繁殖

亜高山帯から高山帯にかけての林や岩場に生息

カヤクグリは、亜高山帯から高山帯にかけてのウラジロナナカマド・ハイマツなどの林や岩場に生息しています。

林の中にいる事が多く、イワヒバリほど岩場に出る事はありませんよ。

冬になると平地から低山地の林・沢沿いのヤブ・集落などの低い場所に移動して単独か数羽の群れで生活しています。

 

雑食性

食性は雑食性で、低木をぬうように移動しながら「小型の昆虫」「幼虫類」「クモ」「草や木の種子」などを食べています。

夏は「昆虫」、冬は「種子」を主に採食しますよ。

 

群れで繁殖を行う

繁殖期になるとオスとメスで数羽からなる群れを形成します。メス1羽に対してオス2羽で繁殖すると考えられていますよ。

巣作りは主にメスが行い、オオシラビソ・キャラボク・ダケカンバ・ハイマツなど高さ1m程度の木に枯れ草や苔などを組み合わせて作ります。

6~9月頃に1日1個ずつ2~4個の卵を産み、メスのみが行う13~14日間の抱卵を経て孵化します。ヒナは13~14日ほどで巣立っていきますよ。

 

カヤクグリの分布は?どこに生息している?

カヤクグリは、北海道・本州中部以北・四国・九州とロシアの南千島に生息しています。

夏には四国の剣山や本州中部から北の地域・南千島などで繁殖を行いますよ。冬になると南の温かい場所に移動して越冬します。

 

カヤクグリの鳴き声は?

カヤクグリ

カヤクグリは繁殖期には「チリチリチリ」や「チーチーリリリ」とさえずります。

「ツリリリ」という地鳴きは、ヤマヒバリの鳴き声に似ていますよ。

 

なかなかお目にかかれない!?

カヤクグリという名前は、冬季にカヤなどが茂る藪の間をぬうようにして生活している姿に由来しています。

漢字では「茅潜」と書き、名前のとおりいつも藪の中を潜んでいるのでバードウォッチングで見かけるのは難しいかもしれません。