ツミの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

ツミは日本で最小の猛禽類(もうきんるい)です。

猛禽類とは他の動物を捕食する鳥のことで、タカやハヤブサ、フクロウの仲間です。するどい爪とくちばしを持つことが特徴ですよ。

ツミは漢字では「雀鷹」と書きますが「雀を含む小型の鳥類を捕食する」ことから由来しているとされています。地方によっては「ススミ」や「スミ」と呼ばれることもありますよ。

この記事ではツミの生態や分布、鳴き声についてまとめました。

 

ツミの特徴は?

ツミ

大きさ

  • オス:27cm
  • メス:30cm

外見の特徴

  • オスメスで色が違う
  • 幼鳥の色はメスに近い

ツミの大きさはオスが全長約27cm、メスが約30cmで、羽を広げた状態(翼開長)では約51~63cmになります。キジバトよりも少し小さいくらいのサイズですね。

またツミはオスとメスで色が違うことが特徴的です。オスは、額から体の上側は青みがかった灰色で体の下側は白に近いオレンジ色をしています。眼の色は赤色または暗めの赤色をしています。

メスは額から体の上側が濃い灰色で、体の下側は白色をしており黒みがかった茶色の横縞があります。眼の色は黄色ですよ。オスメスともにくちばしは黒みがかった茶色で足は黄色です。またどちらも下あごに黒茶色の線があります。

幼鳥は額から体の上側が暗茶色で、体の下側は白色です。胸には赤茶色のたてじまがあり腹より下側は赤茶色のやや太いよこじまがあります。眼は緑色がかった黄色なので、全体として成鳥のメスに近い色合いです。

 

ツミの生態は?

ツミ

生態

  • 動物食
  • 一夫一妻

 

動物食

ツミは動物食で普段は小鳥や昆虫を食べており爬虫類や小型の哺乳類などを食べることもありますよ。

小さくても猛禽類の仲間なだけあって獲物を捕まえるのはとても上手です。

 

一夫一妻

またツミは群れを作ることがあまりなく単体もしくは、つがいで生活します。他にも「モズ」などの鳥類は一夫一妻性で知られていますよ。

繁殖期になると針葉樹の樹上に木の枝を組み合わせて巣を作ります。一度に産む卵の数は2~5個で、4~5月に産卵します。卵はメスが温め、およそ30日で孵化します。孵化後約30日で巣立ちますよ。

 

ツミの分布は?どこに生息している?

ツミ

ツミはインドネシア、タイ、中国、日本、フィリピン、マレーシアなどに分布しています。日本では夏鳥でもあり留鳥(一年中同じところにいる鳥)でもあります。

夏鳥の個体は秋から春にかけて北海道から琉球諸島などに渡ります。温暖な地域に生息する個体であれば一年中同じ地域にとどまる「留鳥」となります。

繁殖も日本国内で行い、平地から山地の林、市街地の公園の林などの静かなところで行いますよ。

 

ツミの鳴き声は?

ツミ

ツミは冬にはあまり鳴き声を聞くことができず繁殖期である夏に巣の近くで聞けることが多いですよ。

オスは、「キィィキキキ」「キューキューキュキュキュ」と初めの2~3音をやや長めに伸ばして、短く速く連続した音を尻下がりに出すのが特徴的です。

メスは、「キキキキ」と初めの伸ばす音がないように鳴きますよ。オスメスどちらの鳴き声も他のタカの仲間に比べて甲高く鋭い声をしています。

オスが獲物をもってメスを呼ぶときには「キョウウーッ、キョウウーッ、キョーキョーキョキョキョ」と鳴きます。メスが他のメスに縄張りを示すときには「ピョーピョーピョピョ」と鳴きますよ。

 

ハイタカとよく似ている

ツミ

ツミはハイタカとよく似ており、区別が難しい鳥です。ハイタカの方が若干大きく、お腹の模様が違いますが、よほどの好条件のもとでないとはっきりと区別を付けることができません。

近年、ツミの繁殖は都会でも繁殖が行われるようになってきており都会での普段の生活の中でも観察できる機会が多くなりましたよ。