キンクロハジロの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

キンクロハジロは、カモ目カモ科ハジロ属に分類されるカモの仲間です。日本では1970年に大阪市天王寺動物園が初めて飼育下繁殖に成功した鳥ですよ。

この記事ではキンクロハジロの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

キンクロハジロの特徴は?

キンクロハジロ
大きさ 40〜47cm
外見の特徴 黒色の体(オス)
茶色の体(メス)
翼の上面の白い斑紋
黄色の目

キンクロハジロは全長が40~47㎝、翼を広げると67~73㎝ほどの大きさになります。キンクロハジロはカモの仲間ですが、他のカモよりもずんぐりした体型をしていて頭も大きいですよ。

「キンクロハジロ(金黒羽白)」は繁殖期のオスの特徴から名前がついています。虹彩が黄色をしていることから「キン」、全身が黒いことから「クロ」、翼の上部分には白いまだら模様(斑紋)が入ることから「ハジロ」を取り、「キンクロハジロ(金黒羽白)」と名前がつきました。

灰青色のくちばしはやや短くて幅広く、先端は黒、付け根部分は白い色になっています。

繁殖のオスは後頭の羽毛(冠羽)が伸びていて、英名である「tufted(ふさふさの)」の由来となっています。

非繁殖期のオスとメスは黒ではなく、黒みを帯びた茶色をしていますよ。

 

キンクロハジロの生態は?

キンクロハジロ

生態

  • 雑食性
  • 繁殖

雑食性

キンクロハジロの食性は、雑食性です。「水生植物」「昆虫」「甲殻類」「軟体動物」「魚類やその卵」「カエル」などを食べますよ。キンクロハジロは潜水型のカモで、水に潜って餌をとります。水深10mまで潜水することができるといわれていますよ。

 

繁殖

キンクロハジロは5~7月に繁殖します。水辺の草原や浅瀬に、枯れ草などを組み合わせて20~25㎝ほどの大きさの巣を作ります。

1回に5~14個の卵を産み、メスのみによる23~28日の抱卵を経て孵化しますよ。ヒナは45~50日で巣立ちをします。

 

キンクロハジロの分布は?どこに生息している?

キンクロハジロ

キンクロハジロはシベリアやヨーロッパ北部などで繁殖し、冬になるとアフリカの北部・ヨーロッパ・北東アフリカ・西アジア・インド・中国東部などの暖かい場所に移動して冬を越します。

日本では冬に九州より北に飛来します。個体数は少ないですが、一部は北海道で繁殖をしますよ。

湖沼・河川・河口などの淡水区域に生息していますが、場合によっては海まで行くことがありますね。

 

キンクロハジロの鳴き声は?

キンクロハジロはあまり鳴く鳥ではありませんが「フェフェ…」「グェグェ…」と地鳴きします。さえずりではオスは「フィー」と鳴き、メスは「クルル」と鳴きます。

 

休む姿が特徴的

キンクロハジロ

キンクロハジロは首を曲げ、羽の中にくちばしを入れるという、特徴的な姿で休みますよ。日本では冬の間でしか観察する事ができませんが、水辺に行く機会があればぜひ観察してみてくださいね。