金色のアイリングが特徴的なコチドリは、チドリ目チドリ科チドリ属の野鳥です。
日本にいるチドリの仲間では最も小さい部類に入りますよ。
このの記事ではコチドリの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。
コチドリの特徴は?
大きさ
- 16cm
外見の特徴
- 金色のアイリング
- 首周りにある黒いリング
- 灰褐色と白色の体色
コチドリは全長が約16㎝で、翼開長時の大きさは35~44㎝ほどになります。
日本にいるチドリの仲間では最も小さい部類に分類され、スズメより大きくツバメよりも小さいですよ。
体色は体の上面が薄い褐色(赤茶色)で下面は白色になっています。顔は白黒模様で、金色のアイリングが目立ちますね。 首周りは太いリング状の黒線があり、黄褐色の足はやや長めです。
オスとメスは同色なので区別がつきにくいですが、首周りにあるネックレス状の黒い筋が太ければオスだと判断することができますよ。
コチドリの生態は?
生態
- 千鳥足
- ディスプレイ
- 擬傷行動
- 繁殖
千鳥足
我々人間もお酒に酔うと、左右によろめきながら歩いてしまうことがありますよね。
このような歩き方を「千鳥足」と呼びますが、その由来になったのがジグザグ歩くチドリの足運びですよ。
ジグザグと歩く姿(千鳥足)は、水田や干潟で餌の虫を採るときなどに観察することができます。
ディスプレイ
コチドリのオスは、繁殖期になるとなわばり争いをしますよ。
縄張り争いにおけるディスプレイには2種類あり、空中で行う「フライトディスプレイ」と地上で行う「地上ディスプレイ」があります。
空中で行なう「フライトディスプレイ」は「ピウー」とさえずりながら旋回しますよ。地上で行なう「地上ディスプレイ」は、体を水平にして走ったり相手のオスに突進します。
求愛のディスプレイは「スクレイピング」と呼ばれ、オスは地面のくぼみでうずくまり「ピッピッ」とさえずります。メスが近寄るとオスは胸を砂に押し付けて尾羽を扇状に開きメスに巣を作ろう!とアピールしますよ。
擬傷行動
「擬傷行動」とは、ヒナに天敵が近づいたときに親鳥がとる行動です。
親鳥は敵を見つけると、ヒナにその場から動かないように警戒の鳴き声をあげます。親鳥は巣から離れたところまで移動してから、わざとケガをしたふりをしますよ。天敵をヒナから安全な距離まで離したら、親鳥はもとの元気な姿に戻って敵から逃げます。
繁殖
コチドリは、小石や貝殻などを使って川原や海辺の砂礫地に巣を作ります。
4~7月に3~4個の卵を産み、オスとメスが協力して卵を温めますよ。ヒナは25日ほどでふ化しますが、ヒナは巣と似た色合いをしているので目立ちません。
コチドリの分布は?どこに生息している?
コチドリは、ユーラシア大陸に広く分布していますよ。ヨーロッパから極東にかけて繁殖した後に東南アジア、インド、アフリカに渡って越冬をします。
日本では本州・四国・九州などで3~9月頃まで観察することができますよ。西日本以南の暖地では「留鳥」として少数が越冬している姿も観察されています。
水を良く飲む鳥なので、水辺に生息していますよ。巣作りの時期には「砂礫地」である「河川」「海岸」「干潟」でも観察できます。
コチドリの鳴き声は?
コチドリは甲高い声で「ピゥ」と地鳴きします。
なわばり争いのさえずりは「ピウー」ですよ。繁殖期のさえずりは「ビュービュー」のあとに「ピッピッ」と鳴きます。
ポイントを抑えて、コチドリを観察しよう!
水辺や砂利の多い土地であれば、コチドリの求愛パフォーマンスを見かけることも多いです。
イカルチドリと似ているので慣れるまで区別するのは大変ですが、見分けがつくようになると野鳥観察はいっそう楽しくなりますよ。