ハクセキレイの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

ハクセキレイはスズメ目セキレイ科に分類される野鳥です。世界中に広く分布する「タイリクハクセキレイ」の亜種の一種で、亜種の中では大きい部類に分類されます。「過眼線」と呼ばれる、目を通る細く黒い線が特徴的ですよ。

この記事ではハクセキレイの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

ハクセキレイの特徴は?

素材 鳥
大きさ 21cm
外見の特徴 黒い体上面
白いお腹・翼・顔
黒い胸部
長いしっぽ

ハクセキレイは大きさ21cmほどの鳥で、ムクドリより少し小さく細身です。

頭から背中は黒色か灰色をしています。お腹と翼は大部分が白色になっていて、胸部は黒色ですよ。メスはオスより体上面の色が薄く、オスも冬になると淡い色合いになります。

白い顔に目を通る黒い「過眼線」が特徴的です。ハクセキレイはその下が真っ白になっていますが、同じセキレイ科の「セグロセキレイ」は頬も黒色ですよ。長いしっぽも特徴的ですね。

 

ハクセキレイの生態は?

素材 育て方

 

生態

  • 夏はスリム、冬はまるく
  • しっぽを上下に振る
  • 繁殖

夏はスリム、冬はまるく

夏はスリムな体系ですが、冬は寒さをしのぐため、まるみを帯びた体型になります。ちょうど人が寒さのために、首をすくめるのと同じですね。

 

しっぽを上下に振る

他のセキレイ科の鳥と同じく、ハクセキレイもしっぽを上下に振るしぐさをします。これはセキレイ独特のしぐさですね。ハクセキレイの英名は「Japanese Pied Wagtail」と言いますが、「Wagtail」は「しっぽを振る」という意味ですよ。

 

繁殖

ハクセキレイは地域によって繁殖の回数が異なります。寒地では年1回、暖地では年2回繁殖しますよ。日本では5~7月に繁殖します。枯れ草や植物の根を使って家の隙間や地上のくぼみにお皿型の巣を作ります。1回に4~5個の卵を産み、主にメスが卵を温めます。抱卵期間は12~15日で、ヒナは13~16日で巣立っていきますよ。

巣立ったばかりの幼鳥は全身が灰色なので、すぐに見分けることができます。巣立ち後も親鳥と行動を共にし、3~4羽程度の集団で行動することもありますよ。

ハクセキレイの分布は?どこに生息している?

ハクセキレイはロシア沿海地方・ハバロフスク地方の沿岸部・カムチャツカ半島・千島列島・樺太・日本列島・中国東北部に分布しています。それぞれの地域で繁殖、越冬をする「留鳥」に分類されます。

日本では、かつて東北地方以北でのみ繁殖が確認されていましたが、現在は繁殖地を関東・中部などに拡げており、東日本では普通種となっています。主に水辺に生息しますが、水辺に近い畑や市街地でもよく観察されますよ。

 

ハクセキレイの鳴き声は?

地鳴きは「チュチン、チュチン」、飛翔時は「チチッ、チチチッ」「ピピッ、ピピッ」と澄んだ声で鳴きます。

 

観察しやすい鳥

近年、住宅地でも飛び回る姿をよく見かけるハクセキレイは、警戒心が薄く、人からも逃げない鳥とも言われています。公園では人に餌をねだるハクセキレイの姿も見られますよ。その一方で縄張り意識は強く、夏はつがいで、冬は単独で縄張りを持ちます。

東日本では身近にいる鳥なので、ぜひ観察してみてくださいね。