オシドリは、カモ目カモ科オシドリ属に分類される漂鳥です。
「おしどり夫婦」の由来になっている鳥ですが、実際は毎年ペアを変えることも有名ですよ。
この記事ではオシドリの特徴、生態や分布、鳴き声についてまとめました。
この記事でまとめたこと
オシドリの特徴は?
大きさ | 45cm |
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外見の特徴 | 後頭部にあるオレンジ色の冠羽(オス) |
目の周囲にある白い勾玉模様(オス) | |
脇にある2本の白い縦線(オス) | |
オレンジ色の銀杏羽(オス) | |
後頭に向かって線上に伸びる白いアイリング(メス) | |
胸~お腹にかけての白い丸斑(メス) |
オスの顔は白く、頬から肩にかけてオレンジ色の羽毛が伸びています。胸は紫色になっており、胸の脇には2本の白い縦線が入りますよ。脇は褐色(黒っぽい茶色)をしており、お腹は白くなっています。三列風切の一枚は銀杏羽とよばれるイチョウの葉のような形をしていますよ。くちばしは赤色ですが、先端がわずかに白くなっています。
メスは全身が灰褐色(灰色がかった茶色)をしています。胸~お腹にかけて点在している白い丸斑と、白いアイリングが後頭に向かって伸びているのが特徴的ですよ。
オシドリの生態は?
生態
- 雑食性
- 繁殖
- 求愛ディスプレイ
雑食性
オシドリの食性は、植物食の傾向が強い雑食性です。
夜行性なので、夜間に水田や湿地で「水生植物」「果実」「種子」「昆虫」「陸棲の貝類」などを探して食べますよ。
繁殖
オシドリは繁殖期になると、メスが選んだ樹洞や地上のくぼみに巣を作ります。
一腹卵数は7~12個で、メスのみが行う約28~30日間の抱卵を経て孵化しますよ。育ヒナは母親のみが行い、およそ40~45日でヒナは親元を巣立っていきます。
求愛ディスプレイ
オシドリの求愛のディスプレイは、夕方や明け方に多く行われます。
数羽のオスが1~2羽のメスの周囲を飛びながら冠羽や銀杏羽をメスに見せたり、「首を上下させる」「上半身を持ち上げる」などのポーズをしたりして求愛のディスプレイをしますよ。
オシドリの分布は?どこに生息している?
オシドリは、東アジア(日本・中国・台湾・朝鮮半島・ロシア南東部など)に分布しています。
日本では北海道や本州中部以北で繁殖し、冬季になると本州以南(主に西日本)へ南下して越冬しますよ。東北以北では夏季に、それ以外の地域では冬季または周年観察することができます。
開けた水面に出ることは好まず、山間の渓流や山地の湖などに生息し木陰に隠れるようにしていることが多いですね。
オシドリの鳴き声は?
オシドリはあまり鳴く鳥ではないですが、オスは「ピューイピューイ」「ウィップ」、メスは「クァッ」「キュイ」と低い声で鳴きます。
飛行している時には「グァ」と少し濁った声で鳴くことがありますよ。
日本一カラフルな水鳥
オシドリのオスは、日本一カラフルな水鳥といわれています。
オスは夏になるとメスそっくりの地味な羽色に変わりますが、秋口頃から再び美しい羽に生まれ変わりますよ。
北海道から沖縄にかけて見ることができる留鳥・冬鳥なので、冬季の求愛の季節になったらカラフルな銀杏羽をアピールしているオシドリを探してみてくださいね。