古くからイギリス王室のペットとして飼われていたキャバリア。
賢くしつけがしやすいことから初心者の方にもおすすめの犬種ですが、キャバリアを飼育する上で気をつけたい病気や知っておくべきことには何があるのでしょうか。
この記事では、キャバリアの寿命や気をつけたい病気についてまとめました。
目次
キャバリア(キャバリアキングチャールズスパニエル)の寿命は?短いの?
キャバリアの寿命はおよそ12年です。
健康な子であれば14年近く長生きする事もありますが、10年に満たない短命な子もいます。
これはキャバリアに近親交配が行われた経緯があり、遺伝疾患である「僧帽弁閉鎖不全」を発病しやすいからだと考えられていますよ。
キャバリアが気をつけたい病気1:僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症とは、血液が左心室から左心房へ逆流してしまう病気です。朝方や夕方に咳が出ることがあります。
症状は「肺水腫」「運動の時に座り込む」「運動を嫌がる」「心音異常」「腹水」「失神」などが起こります。
ACE阻害薬を使用したり肺水腫を治療するために利尿薬などを使用して治療を行います。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
ACE阻害薬は血圧を下げるお薬です。これにより、血圧が下がり心臓の負担も軽減されます。
キャバリアが気をつけたい病気2:白内障
白内障とは眼球の水晶体が白く濁ってしまう病気で、加齢や遺伝的要因が原因とされています。また、糖尿病で併発することもあります。
初期段階では目立った症状はありませんが、進行すると「目が白くなる」「物にぶつかる」などの症状が現れます。
治療は点眼薬で病気の進行を遅らせる内科治療のほか、手術による外科的治療があります。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
もし白内障になってしまったら、視界が悪くなるため、家の模様替えを控えるようにしましょう。また、ぶつかったら危ない角にはガードを付けるなど二次的な怪我の防止に努めましょう。
キャバリアが気をつけたい病気3:乾性角膜炎
乾性角膜炎は、涙液を生成できなくなることで目が乾いてしまう病気です。犬のドライアイとも呼ばれています。
原因は「遺伝性」「ウィルス」「薬の副作用」など様々で、粘着性のある目ヤニや角膜充血、まぶたの痙攣などの症状が現れます。
治療は点眼薬による継続的な内科療法が行われます。
キャバリアが気をつけたい病気4:脊椎空洞症
脊髄空洞症は、脊髄の機能に障害が生じることで様々な症状が起こる病気です。
先天性(小脳後部が後頭骨の奇形によって頭側に圧迫)と後天性(外傷や腫瘍など)の原因があり、症状は無症状の場合もあれば四肢麻痺まで様々です。
治療は空洞の拡張を防ぐ内科療法と髄液の動きを改善する外科療法が行われます。
キャバリアが気をつけたい病気5:短頭種気道症候群
短頭種気道症候群は鼻腔狭窄、軟口蓋過長、気管低形成などの病気が1つもしくは複数で発症する上部気道障害を引き起こす病気です。気道が極端に狭い状態になることで発症します。
初期段階の症状は「グーグー」や「ヒューヒュー」などの呼吸音が安静時にも聞こえるだけですが、重症になると呼吸困難を起こすこともあります。他にも咳をしたり、運動不耐性、チアノーゼを起こすことがあります。
治療はステロイド剤による内科療法と、軟口蓋切除や外鼻孔拡張などの外科手術が行われます。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
チアノーゼとは、血液中の酸素がなくなり、皮膚が紫色になることです。犬では、口の中の粘膜の色で判別することができます。
まとめ
キャバリアの病気は迎え入れる前の検査などである程度防げるものもありますが、正しい知識を持って対処することが何よりも大切です。
最初から病気があって短命だと諦めるのではなく、少しずつできることから初めてみてください。