ケリの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

ケリはチドリ科タゲリ属の野鳥で、日本に生息するチドリでは最大の大きさになりますよ。特徴的な「ケリッ」という鳴き声から名前がつきました。田畑の減少により個体数が少なくなり、福島県、埼玉県、千葉県、高知県ではレッドリストの指定を受けています。

今回の記事ではケリの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

ケリの特徴は?

ケリ

大きさ

  • 35cm

外見の特徴

  • 赤色の目
  • 胸に黒い三日月模様
  • 黄色いくちばしと足
  • 長い足

ケリの全長は35㎝ほどです。ハトと同じか、少し大きい程度ですね。

目は赤色で、黄色のアイリングがありますよ。体の上面は灰褐色で、頭部から胸上部は青灰色です。体の下面は白色ですね。正面から見ると胸に大きな黒色の三日月がありますよ。この特徴的な三日月模様は「胸帯」と呼ばれます。翼は広げると先端が黒色ですよ。

くちばしと足は黄色でくちばしの先端は黒色をしています。飛んでいるときに、尾の先から出るほど長い足も特徴的です。

オスメスで体の色に違いはありません。「小翼羽」と呼ばれる翼の一部で、人間の親指にあたる羽に爪があります。この爪の大きさや色でオスメスの区別をつけますよ。

ひなは淡い褐色の羽毛に包まれています。幼鳥は胸部から上が褐色を帯びた灰色で、胸の三日月はまだ色が薄いですよ。目の色もまだ褐色ですね。

 

ケリの生態は?

ケリ

生態

  • 動物食
  • 地上営巣性
  • 共同防衛

 

動物食

ケリは主に田畑に生息しています。カエル、ミミズ、昆虫などを食べていますよ。

 

地上営巣性

ケリは田おこしや田植えの時期である3月下旬から田んぼに巣を作ります。巣は壊されても何度も作り直しますよ。地域によっては抱卵の時期と重なることもあります。

最終的には、田んぼのあぜ道に巣を作ります。直径20㎝、深さ5㎝ほどの巣で、6月上旬にはヒナが生まれますよ。

 

共同防衛

ケリは気性の荒い鳥といわれています。繁殖期にはテリトリーに近づく敵に、威嚇や攻撃をしますよ。

ケリはつがい同士が協力して敵を威嚇、攻撃する「共同防衛」という行動をします。複数の個体同士が協力することは、珍しいことです。一羽が敵に威嚇すると近くのケリも飛んでいき、一緒に威嚇をします。

 

ケリの分布は?どこに生息している?

ケリ

ケリはアジア東部の温帯域に生息しており、日本では東北・関東・中部・近畿などにとびとびに分布しています。「水田」「河原」「草原」「干潟」などで生息していますよ。近年では、中国地方や北部九州でもケリの繁殖が確認されています。

積雪のある場所で繁殖をする個体は、秋になると越冬のために暖かい地域に移動しますよ。移動した先では「冬鳥」と呼ばれます。

 

ケリの鳴き声は?

ケリの地鳴きは「ケリッ」「ケケッ」「キキッ」「キリッ」です。甲高い大きな声で鳴きますよ。繁殖時期に敵が近づくと、夜中でも威嚇のために鳴きます。

 

地域によって観察できる時期が異なる

ケリ

ケリの生息する分布はとびとびで、見られる時期が異なります。本州北部では夏、四国と沖縄では冬に観察できます。本州中部、南西部と九州では一年中みられます。

北海道には、まれに「迷鳥」として姿を見せることがありますよ。