カッコウの特徴は?生態や分布、鳴き声は?

カッコウはカッコウ目カッコウ科に分類される野鳥で、春から初夏にかけて繁殖のために日本に渡来します。日本の「夏をつげる鳥」として昔から親しまれていますね。この記事ではカッコウの特徴や生態、分布、鳴き声についてまとめました。

 

カッコウの特徴は?

カッコウ

大きさ

  • 35cm

外見の特徴

  • 後姿は灰色
  • 胸と腹に横しま模様
  • 対趾足

カッコウの大きさは全長35㎝ほどで、ハトより少し大きいくらいです。頭頂部から背中は青みがかった灰色です。胸と腹は白く、背中と同じ色の細い横しま模様がありますよ。

翼と尾は黒褐色で、メスはのどに赤褐色が入ります。メスの中にはまれに灰色の部分が赤褐色の個体もいますよ。

鳥類の足の指は通常前3本と後1本ですが、カッコウの足の指は「対趾足」といって前後に2本ずつあります。「対趾足」は木の枝に止まりやすい足の形状なのです。鳥の中でも珍しい特徴です。

見た目は「ホトトギス」や「ツツドリ」とよく似ていて区別がつきにくいです。鳴き声が聞こえたらすぐにわかりますが、外見は胸の横縞で比較します。横縞が細くて均一に並んでいると「カッコウ」、太い横縞が不規則に並んでいると「ホトトギス」、その中間が「ツツドリ」となります。

 

カッコウの生態は?

カッコウ

生態

  • 托卵(たくらん)

 

托卵(たくらん)

自分の卵をほかの鳥の巣に産んで、ほかの鳥に育ててもらう行動を「托卵(たくらん)」と呼びます。カッコウは、モズやホオジロといった20種以上もの鳥に自分のヒナを育ててもらいます。育ての親は「仮親鳥」と呼ばれますよ。

カッコウは托卵する巣の卵を1つ外へ落とし、代わりに自分が1つ卵を産みます。托卵をすると、あとは抱卵から子育てまでの一切を仮親鳥に任せてしまうのです。

カッコウの卵は、仮親鳥の卵よりも1~2日ほど先にふ化しますよ。カッコウのヒナは背中をうまく使って他の卵を巣から落として巣を独り占めします。そうと知らない仮親鳥はこの1羽のヒナが巣立つまで、せっせと餌を運び続けるのです。

巣の中のヒナが口を開けると、親鳥は餌を運んで来たくなる衝動にかられるのです。この本能をうまく利用してカッコウは托卵を行っています。ほかにも「ホトトギス」や「ジュウイチ」「ツツドリ」も托卵をする野鳥です。

 

カッコウの分布は?どこに生息している?

カッコウ

カッコウはユーラシア大陸とアフリカ大陸で繁殖しています。日本では九州以北の山林や高原、平地や住宅街にも生息していますよ。

カッコウは4~5月にかけて繁殖のために日本にやってくる渡り鳥なので、日本では「夏鳥」とされています。9~10月ごろになるとフィリピンやマレー半島に戻りますよ。繁殖期以外は単独行動をしています。

 

カッコウの鳴き声は?

カッコウのオスは縄張りを主張するときや、求愛のときに「カッコウ、カッコウ」とさえずります。オスもメスも地鳴きは、高い声で「ピヨピヨピヨ」と鳴いたり、鋭く「ピピピピピ」と鳴くこともあります。

 

世界中で親しまれる渡り鳥

カッコウ

「カッコウ、カッコウ」のさえずりを聞くと緑の深い森を連想して、癒されるという方も多いですね。世界中で童謡の題材にされているほど親しまれている渡り鳥です。

日本では九州以北に渡ってきますが、沖縄には「旅鳥」として短期間ですが滞在していますよ。日本の文化と馴染深い野鳥なのです。