日本の天然記念物であるアホウドリは、ミズナギドリ目アホウドリ科アホウドリ属にする海鳥です。繁殖のために、日本の鳥島や尖閣諸島にやってくることでも知られていますね。
この記事ではアホウドリの特徴、生態、分布、鳴き声に関してまとめました。
アホウドリの特徴は?
大きさ
- 約90㎝
外見の特徴
- 全体的に白い体色
- 黄色い後頭部
- ピンク色のくちばし
- 2mを超す大きな翼
- 尾羽や風切の先端は黒色
アホウドリは全長が84~100㎝ほどで、翼を広げると190~240㎝にもなります。日本で見ることができる最大級の海鳥としても知られていますね。
全体でみると白い部分が多いですが尾羽と風切羽の先端は黒色をしているので、コントラストがはっきりしていますよ。頭の後ろから首の後ろは黄色をしています。くちばしは血管が透けて見えるので全体的に薄いピンク色をしていますが、先端部は灰色がかった青色をしています。
グラインダーのように細く長い翼を持っているので、ほとんど羽ばたかずに長時間飛行することもできますよ。
アホウドリの生態は?
生態
- 長寿命
- 少産少死
- クラッタリング
長寿命
アホウドリは長生きすることでも知られています。生息域にもよりますが平均で30年ほど、最高で50年生きる個体もいますよ。
成長するのも遅く、10歳頃になってようやく全身が白くなり成鳥の外見となります。個体差もありますが、15歳になってもまだ黒褐色の羽毛が残っていることもありますよ。
少産少死
アホウドリは1回の産卵で卵を1つしか生まないという特徴があります。これは「少産少死」と呼ばれ、長生きする生き物の特徴ともいわれていますよ。
また、「一夫一婦制」なのでパートナーと死別するまで、つがい関係を維持します。死別したら2~3年かけて新しいパートナーを探します。
クラッタリング
「クラッタリング」とはコウノトリに見られる求愛行動の事で、頸部を伸ばしながら嘴を開閉して打ち鳴らすことをいいます。
アホウドリの分布は?どこに生息している?
アホウドリは、主に北太平洋に分布していますよ。夏季はアラスカ湾、アリューシャン列島、ベーリング海などで暮らしていますが、冬季の繁殖期になると日本の近海へ南下します。
日本での繁殖地としては「鳥島」「尖閣諸島北小島」「南小島」などの天敵のいない島が多いですね。
繁殖しないアホウドリは、アメリカの西海岸沖やカリフォルニア湾沖、北西ハワイ諸島近海に渡ることもありますよ。
アホウドリの鳴き声は?
アホウドリの鳴き声は牛に似ていて、「ヴォオオオー」と低く大きい声です。繁殖期には、「ヴァーアー」「ヴィーアアアー」といった声を出しますよ。
絶滅の危機を乗り越えて、個体数を増やしている!
アホウドリは、かつて羽毛をとるために乱獲された過去があります。数が減少していく中で生息地である鳥島が大噴火したこともあり、一時は絶滅したとさえいわれました。
しかし、わずかに生き残ったアホウドリは人間により手厚く保護され、多くの人の努力によって個体数を少しずつ増やしています。