ペットの殺処分理由は?日本では年間数は?神奈川県はゼロ?

ペットを飼育する人が増えている一方で、殺処分されてしまうペットたちも数多くいることをご存知ですか?日本でも毎年多くのペットが殺処分されている現状があります。

殺処分されたペットの数は県ごとに公表されていますが、神奈川県は5年連続で殺処分数を0にしています。

この記事ではペットを殺処分してしまう理由や日本の年間数についてまとめました。

 

ペットの殺処分とは?理由は?

メインクーン_20160712_8

殺処分をする理由

  • 保健所にくるペットが多すぎる

ペットの殺処分が起こるのは、捨てられたペットが多すぎるからです。

迷子や飼い主さんのみつからないペットは、年間何10万頭にも及ぶといわれています。各自治体の「保健所」や「保護センター」に収容されますがスペースには限界があります。

飼い主さんへの返還予定がなく新しい引取り手もみつからないままだと、保健所の限られたスペースの中ですべてのペットを飼育することは不可能です。

飼い主さんのいないペットたちの飼育を引き受ける団体へ引き取ってもらうか、規定の保管日数を過ぎた場合は殺処分という方法をとっているのです。決して「安楽死」とはいえないような方法で殺処分されている現状です。

捨てられてしまうペットが増えた理由には「飼い主さんが経済的に飼育困難になった」「悪質なブリーダーが繁殖を行いすぎて飼いきれなくなった」「ペットショップが倒産した」が考えられますよ。

中でも飼い主さんがペット飼育困難になって捨ててしまうケースは年々増加しています。

 

ペットの殺処分、日本ではどのくらいの数?

環境省
年度 犬の殺処分数 猫の殺処分数
平成26年 2万1593頭 7万9745頭
平成27年 1万5811頭 6万7091頭
平成28年 1万424頭 4万5574頭
平成29年 8362頭 3万4854頭

環境省自然環境局の「動物愛護管理行政事務提要」によると犬と猫の日本の殺処分数は上の表の通りです。過去3年分の数字をみると徐々に減ってはいるものの、合計4万頭以上ものペットが殺処分されている現状がわかります。

出典:環境省自然環境局「動物愛護管理行政事務提要(平成30年度版)

 

外国の殺処分の現状

ドイツ

ペット先進国であるドイツでは、殺処分がまったく行われていません。日本のように「処分場」が存在せず、飼い主さんのいないペットたちは「ティアハイム」とよばれる保護専門の施設に入ります。

保護されたペットは、約9割が新しい里親さんのもとで暮らせるようになります。引き取られなかった1割の子たちも、保護施設で最後まで面倒をみています。

 

イギリス

イギリスでは日本同様、年間約10万頭のペットが施設に保護されていますが、殺処分数は日本の「約16分の1」です。

引き取られた動物たちのうち「獰猛すぎて人間に危害を与えかねない」「難病で治る見込みがない」はやむなく殺処分をしていますが、年間7000頭に満たないようです。

ドイツ同様にペット先進国であるイギリスではペットの命に対して国民の関心が高く、迷い犬や捨て猫を受け入れる先が充実しているのです。

 

ペットの殺処分数、神奈川県はゼロ?

素材

神奈川県動物保護センターでは、2013~2017年の5年連続で殺処分ゼロを達成しています。全国で保護された動物のうち7割近くが殺処分されていることを考えれば、殺処分ゼロを達成したことは大きな意味がありますね。

殺処分ゼロを達成するために保護センターは「保護センターへの収容数を減らす」「正当な理由のない飼い主さんからの引き取りを拒否する」「野良猫を捕獲、避妊・去勢を行って元の場所に戻す」「譲渡先積極的に探す」などの活動を行ったのです。

飼い主さん向けにペットの命に関する啓蒙活動も行っていますよ。

 

ペット後進国といえる日本

素材

ドイツやイギリスに比べると、日本のペットの命に関する意識は遅れているといえます。日本の保健センターに送られるペットのうち、約7割は殺処分されている現状です。

このような動物を少しでも減らすためにはドイツや神奈川県のような取り組みを参考にすることが近道なのかもしれませんね。

イギリスのように、飼い主さんが決して安易な気持ちでペットを飼い始めないことも大切です。