マルチーズは健康で丈夫?平均寿命やかかりやすい病気について

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愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

マルチーズは超小型犬に分類される犬種です。運動量も多くなく、無理をすると病気やケガの発生率が高くなってしまいます。大切な家族の一員として長生きしてもらうためにも、病気について知ることが大切ですよ。

この記事では、マルチーズの寿命や病気、健康についてまとめました。

 

マルチーズの寿命は?

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マルチーズの飼育下での平均寿命は約15年です。超小型犬の平均寿命が15年なので、平均的な寿命といえます。

近年では飼育環境の向上や、ペットフードの品質向上により、年々長寿化の傾向にありますよ。適切な運動量の確保と、適切なフードを与え、肥満に注意しながら育ててくださいね。

 

マルチーズがかかりやすい病気や症状は?

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かかりやすい症状や病気

膝蓋骨脱臼
気管虚脱
流涙症
外耳炎
僧帽弁閉鎖不全症
皮膚炎

マルチーズの飼育において注意すべき病気は、原因が先天的なものと後天的なものがあります。主にかかりやすいとされる病気と症状、対処法をご紹介します。

 

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは膝関節のお皿が内側もしくは外側に外れてしまう病気です。マルチーズのような小型犬は膝蓋骨内方脱臼が多い傾向にあります。

原因は先天性、後天性のどうちらもあり、後天性の場合、事故や外傷によって起こることがあります。

症状は、脚に体重をかけることができず正しい歩き方ができなくなったり、関節を動かすと痛みを伴います。

膝蓋骨脱臼には症状別にグレードが1~4まであります。2以上で手術が検討されるようです。

歩き方がおかしかったり、運動を嫌がる様子が見られたら動物病院を受診することをおすすめします。

 

気管虚脱

気管虚脱とは気管にある軟骨が虚弱化してしまい、気道が狭まり、閉塞してしまう病気です。原因は明らかにされていません。

症状は、ガチョウが鳴くような咳をすることが特徴です。その他にも激しい咳やチアノーゼを起こすこともあり、さらにひどくなると失神を起こすこともあります。

治療は薬などで症状を緩和したり、金属のチューブのようなステントを挿入したりします。

激しい運動や気温の高い夏などは症状が悪化し、最悪失神をしてしまう可能性もあるため、呼吸が苦しそうであれば動物病院を受診しましょう。

 

流涙症(涙やけ)

流涙症(りゅうるいしょう)は、涙が目の内眼角から溢れてきて、目の下に涙やけを起こす病気です。

症状は、「涙やけ」と呼ばれ、目の周りの毛が茶色く変色します。見た目ですぐにわかる症状ですよ。飼い主には処置ができないので、動物病院の受診が必要です。

 

外耳炎

外耳炎とは細菌や真菌、ダニ類、耳垢の蓄積、水によって起こる病気で、炎症を起こしたりただれたりします。異物が耳に入り、外耳炎になることもあります。

症状は耳をしきりに気にしたり、頭を傾けたり振ったりします。またかゆみを伴う場合は耳を掻く様子も見られます。

マルチーズのようなたれ耳の犬は外耳炎を起こしやすいため、定期的な耳のケアを行うことが大切です。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
耳掃除の際、人用の綿棒は使用しないでください。犬の皮膚は人と異なり薄く傷つきやすいです。人用の綿棒は刺激が強すぎるため、獣医さんや動物看護師さんに正しい耳掃除の方法を教えてもらってから行いましょう。

 

僧房弁閉鎖不全症

左心室で血液の流れを制御している僧坊弁が適切に機能せず、血液の逆流が起きる病気です。

最終的には心不全になり、高齢の小型犬に起きやすい病気とされています。

定期的な健康診断を欠かさずに行ってくださいね。

投薬治療や酸素の吸入などで治療を行います。激しい運動や食餌の見直しも病状を遅らせることができます。

 

皮膚炎

マルチーズは皮膚のトラブルが多い犬種です。

日々のケアで清潔に保っておくことはもちろん、刺激の強いシャンプーやアレルギー性の食べ物でも発症することがあるので注意が必要です。

スキンシップを増やしてストレスをなくそう!

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マルチーズが病気を発症する原因は、大半がストレスによるものです。

睡眠不足・栄養不足・飼い主とのふれあい不足など、マルチーズが満足に過ごせていない場合にストレスがたまるのです。ストレスを感じさせないよう、気を付けてあげてくださいね。

とくに抱っこによるスキンシップは、ストレスの軽減だけでなく、体の異常にいち早く気づくための手段でもあります。時間をとって、たくさん触れ合ってくださいね。

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