ラブラドールレトリバーの飼い方まとめ!性格や大きさ・体重、しつけ、寿命・病気は?

ラブラドールレトリバー
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

家庭犬としてだけでなく、麻薬探知犬や盲導犬としても活躍しているラブラドールレトリバー。

愛らしい顔立ちと穏やかで知的な性格から、世界中で愛されていますよ。

この記事では、ラブラドールレトリバーの性格や特徴、子犬の迎え入れ費用や迎え入れ方、しつけや寿命についてまとめました。

ラブラドールレトリバーの基本情報

ラブラドールレトリバー

歴史

ラブラドールレトリバーは、16世紀頃にカナダのニューファンドランド島で発祥した犬種であるといわれています。

比較的新しい犬種で、ピーター・ホーカー大佐とマルムズベリー伯爵によって19世紀に紹介されたことから有名になりました。

19世紀にイギリス渡った後は、優秀な鳥猟犬として活躍していた過去も。冷たい水の中に入ることもある猟犬のため、寒さから守るため脂肪を蓄えています。そんな脂肪を維持しようとたくさん食べるわんちゃんなので、迎え入れる際は体重管理には十分注意したいところです。

大きさ・体重

男の子 体重:30~35kg
体高:60cm前後
女の子 体重:25~30kg
体高:55cm前後

一般的に女の子と比べると、男の子は体が一回り大きい場合が多いです。

外見の特徴

骨太で筋肉質な体型で、カワウソの尾ともよばれる「根元から太い尻尾」が特徴的です。

被毛カラーは、イエロー(ホワイト、クリーム、フォックスレッド)、ブラック、レバー(チョコレート)の3種類がありますよ。

レトリバーの種類

ドッグショーで活躍する外見を重視した「イングリッシュタイプ」と、作業能力が重視された「アメリカンタイプ」の2種類がいます。

F1レトリーバー

「F1レトリーバー」とは、ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーを掛け合わせて生まれた犬種です。

盲導犬や介助犬としての能力を引き出すことを目的として掛け合わせられた、改良品種ですよ。

ラブラドールレトリバーの性格

ラブラドールレトリバー

性格

忠実で愛情深い
学習能力が高い
友好的で社交的
好奇心旺盛で活動的

忠実で愛情深い

ラブラドールレトリバーは愛情深い性格です。家族を大切にする犬種であり、飼い主や家族との絆を築くことに喜びを感じます。人が大好きなので室内飼いで一緒に生活するのが良いでしょう。忠実さもあるので、しつけやトレーニングは苦ではありません。そのため、初めて飼育する方でもしつけしやすい犬種と言われています。

学習能力が高い

ラブラドールレトリバーは、盲導犬として活躍していることからも分かるように従順で学習能力が高い犬種です。忍耐強くしつけや訓練において優れた成績を収めることが多いため、盲導犬の他には警察犬・麻薬取締犬としても活躍しています。様々な環境で人の力になってくれる犬種です。

友好的で社交的

ラブラドールレトリバーは非常に友好的な性格をしています。そのため、飼い主とその家族以外の人間や、他の犬とも仲良くすることができますよ。穏やかさもあるので、攻撃的な行動を取ることは少ないです。

好奇心旺盛で活動的

ラブラドールレトリバーは活動的でエネルギッシュな性格でもあります。好奇心が旺盛で、飼い主さんと一緒に遊ぶのが大好き。水辺の狩猟犬でもあったので、水遊びが大好きな一面も。夏のお散歩お出かけには、水辺にあるところで遊ばせると喜んでくれるかもしれませんね。

ラブラドールレトリバーの快適な飼育環境について

ラブラドールレトリバーとのとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「床材」「食器類」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。

飼育スペース・ケージ

快適に過ごせるスペースを確保します。室内には犬用のベッドやクレートを用意し、屋外にはフェンスやケージを設置しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。

運動したい欲求が強い子もいることを考え、広い庭などのスペースがあるとより良いかもしれません。暑さに比較的弱い犬種ため、熱中症対策は必須です。夏場の室温はエアコンで調整してください。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。

床材

ラブラドールレトリバーは体が大きく関節疾患の多い犬種のため、床はフローリングなどの滑りやすい素材は避けてください。滑らない素材のマットなどを上手く敷き詰めて、走ったり遊んだりしても滑らないような工夫をしてください。

食器類・床材

ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。

首輪やリード・おもちゃ

散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。

ドッグフードとおやつ

健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意しましょう。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。

トイレ用品

屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。

ケア用品

健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。

動物病院

何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。

ラブラドールレトリバーの食事について

ラブラドールレトリバーの画像

食事量

運動量が多いラブラドールレトリーバーには、体を支える骨格と筋力維持に欠かせない動物性タンパク質が重要です。そのため、栄養価の低い肉の副産物や穀物などが含まれているドッグフードは適していません。

また、鳥猟犬として活躍していた過去があるため、寒さから体を守るため脂肪を蓄えています。食欲旺盛な犬種ですが、現代のラブラドールレトリバーは猟犬ではないので、高タンパクなのはそのままに低脂質なごはんが適していると言えます。

ドッグフードを選ぶ際は、主原料が肉類であるのを確認しつつ脂質の値に注目してください。

ラブラドールレトリバーのお手入れについて

ラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーとの生活をより良くするためには、日々のこまめなケアが欠かせません。

被毛ケア

ブラッシングは、毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。

スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。

シャンプー

1~2ヶ月に1回を目安に行います。

シャンプー前にブラッシングで余計な抜け毛を取り除いておくと、毛が絡みにくくなってシャンプーしやすくなりますよ。

シャンプーが終わった後は流し残しのないように、丁寧にすすぐことも忘れないでくださいね。

歯磨き

定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。

指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取るようにします。

爪切り

血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。

耳掃除

耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行いますが、定期的に耳をめくって確認してください。

垂れ耳であるラブラドールレトリバーは外耳炎になりやすく、常に清潔な状態を維持するのが理想です。「耳垢が増えた」などいつもと違う様子であれば、病院で診察をけるようにしてくださいね。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。

ラブラドールレトリバーの運動について

ラブラドールレトリバー

運動量に関してはラブラドールレトリバーの体格や性格によって異なりますが、散歩の頻度は朝夕の2回、1回の散歩で30~60分程度の散歩が望ましいでしょう。

控えめな子であれば30~45分、活発な子なら60分以上を目安にしてみてください。ただ1回60分以上の散歩を1日2回行うのは難しく、時間が取れない日もあるかもしれません。そんなときはドッグランで思いっきり動ける時間を作ってあげてください。

十分な運動は健康的な体型を維持するのにも必要ですが、ストレスを発散できる機会でもあります。毎日の散歩は必ず行きましょう。

ラブラドールレトリバーのしつけについて

ラブラドールレトリバー

人と過ごすことが大好きなラブラドールレトリバーは、しつけをするうえで信頼関係を上手く築く必要があります。

大きな声で怒鳴ったり叩いたりして注意することは絶対にNGです。一度愛犬がびっくりして怖がってしまってしまうと、学習能力が高いため過去に行った行動を覚えてしまいます。

飼い主さんが怒るときとそうでないときがある場合、しつけにブレがあると愛犬は混乱してしまいます。繰り返しになりますが、「前は怒られた行動が今回は怒られなかった」のようなブレがあると、愛犬目線、何が正しくして何がいけないことなのか学ぶことができません。しつけは一貫性を持って行いましょう。

ラブラドールレトリバーの寿命・病気について

ラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーの寿命はおよそ12~15年。日本の家庭で生活しているわんちゃんの平均が14歳と考えると、平均的な年齢です。

かかりやすい病気

外耳炎

垂れ耳であるラブラドールレトリバーは、外耳炎になりやすい犬種です。耳の中の汚れをキレイにせず放置しておくとかゆみや痛み、嫌なニオイの原因になります。お風呂に入ったあとは耳の中が濡れたままにならないように、めくって拭いてあげましょう。

また、耳垢やニオイに気付くために定期的に耳を確認して、もし外耳炎になったとしても早期から治療できるようにしてください。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
外耳炎予防のために、耳掃除を行うことは有効です。ですが、耳掃除の際は人用の綿棒は使用しないでください。犬の皮膚は人と異なり薄く傷つきやすいです。人用の綿棒は刺激が強すぎるため、獣医さんや動物看護師さんに正しい耳掃除の方法を教えてもらってから行いましょう。

胃捻転・胃拡張

胃が空気で膨張し、胃がねじれてしまった状態を指します。原因は分かっていませんが、胸腔の深いラブラドールレトリバーを含む大型犬が胃捻転・胃拡張になりやすいと言われています。

胃捻転になるとえずいたりよだれを垂らしらり、ぐったりしたりと普段と違う様子が見られます。予防方法はありませんが、食後およそ3時間は静かに過ごすよう飼い主さんが運動をセーブしてください。

胃捻転になった場合緊急手術を行う必要があり、処置が遅れると命を落としてしまうことも。ラブラドールレトリバーと暮らす飼い主さんは、普段と違う様子がないか注視しておく必要があります。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
胃捻転・胃拡張は大変恐ろしい病気です。フードの早食いも原因の一つとされています。早食い防止のお皿なども販売されていますので活用してみるといいでしょう。

ラブラドールレトリバーの迎え入れについて

ラブラドールレトリバー

迎え入れ先

迎え入れる方法としては、「ペットショップ」「ブリーダー」「里親制度」の3つがあります。

それぞれにメリットや注意点があるので、自分に適した方法で迎え入れるようにしてくださいね。

迎え入れにかかる費用

ラブラドールレトリバーの迎え入れにかかる費用は、およ20万円です。

ただ、両親のコンテストでの成績やタイプ(イングリッシュタイプかアメリカンタイプ)によっても変動しますよ。

まとめ

ラブラドール

この記事では、ラブラドールレトリバーの飼い方について紹介しました。

迎え入れるとなると、体が大きかったり1回30分以上の散歩が必要だったりを考慮すると、1人暮らしの方というよりも家族で生活している方のほうが向いているかもしれません。

しつけに関しては、賢い犬種だからこそ一貫性のあるしつけが必要です。しつけがブレると何が正しくて何が悪いのか分からなくなってしまいます。お互いが快適に過ごせるよう、頑固とした姿勢で向き合ってください。

すでにパートナーになっている方も、迎え入れたいとと考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。

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