健康志向が高まって、自分の愛犬が食べるドッグフードの成分が気になる飼い主さんも増えてきています。
店頭にずらりと並んだドッグフードをみて、はっきりとした知識から愛犬のために最適な商品を選べていますか。
この記事ではドッグフード選びのひとつの指標になる「添加物」について、愛犬への影響や購入時の注意点をまとめました。
この記事でまとめたこと
ドッグフードに添加物は何のために入っているの?

ドッグフードに添加物が含まれる理由
- 栄養を補うため
- 加工のため
- 風味や色味をつけるため
- 腐らせないため
ドッグフードには「添加物」というものが含まれています。
犬にとって大切な栄養素であるお肉や野菜などをドッグフードの主役とすれば、添加物は主役をサポートする役割を担っています。添加物の役割は主に4つありますよ。
栄養を補うため
ビタミンやミネラルが当てはまります。
食品だけでは補いきれない栄養素を添加物で補填するのです。
食事の栄養バランスに大きく貢献しており、栄養添加物ともよばれます。
加工のため
乳化剤や保湿剤、粘着安定剤が当てはまります。
乳化剤は加工の段階で水と油を混ぜる際に使い、保湿剤はウェットタイプのドッグフードの水分を保ちます。
粘着安定剤はドライタイプのドッグフードの粒の形を保つ「つなぎ」の役割を果たします。
風味や色味をつけるため
香料や着色料が当てはまります。
香料は愛犬の食いつきをよくします。
着色料はウェットタイプのドッグフードのお肉の色をピンク色にする役割がありますが、犬の食いつきと食べ物の色は関係が薄いという意見もあります。
腐らせないため
保存料や酸化防止剤が当てはまります。
保存料は細菌・カビの繁殖を抑え、酸化防止剤は賞味期限を伸ばすことができます。
どちらもウェットタイプのドッグフードによく含まれている添加物です。
添加物の種類とは?

ドッグフードの添加物には「合成(人口)添加物」と「天然由来の添加物」の2種類があります。
合成(人口)添加物とは?
合成(人口)添加物とは人間が化学物質を合成して人口的に作成した添加物のことです。体にとって有害であるものも少なくありませんし、中には発がん性をもつ添加物もあります。
天然由来の添加物とは?
添加物でありながら、人間の手で合成せず天然に存在する物質のことです。
オーガニックドッグフードに含まれるのは天然由来の添加物です。合成添加物に比べて体に優しく無害であることがほとんどです。
ペットフード安全法で定められた使用制限がある添加物とは?
環境省の発表するペットフード安全法の中で使用制限(成分規格)が指定されているのは以下の添加物です。
成分規格を超える量をドッグフードに含有させてはいけないとされています。
添加物名 | 成分規格(ドッグフード1g当たり) |
---|---|
エトキシキン | 75μg |
BHA、BHT | 合計75μg |
亜硝酸ナトリウム | 100μg |
ドッグフードに含まれる添加物は?

添加物一覧
- エトキシキン
- BHA
- BHT
- プロピレングリコール
- 亜硝酸ナトリウム
- ソルビン酸カリウム
- グリシリジン・アンモニエート
- 没食子酸プロピル
- 着色料
- 合成調味料
「ペットフード安全法」によって、ドッグフードに使われるすべての原材料には「表示」が義務付けられています。飼い主さんはまずドッグフードのパッケージに記載されている「原材料」を確認してみてください。
細かくびっしりと書かれているフードもあれば、法律の範囲内でおおまかに書かれているフードもあります。単に「添加物」と表記されているだけのフードもあるので、詳しく添加物の種類と愛犬の体への影響を紹介しますね。
エトキシキン
エトキシキンは保存料・酸化防止剤として使われる合成添加物です。ペットフード安全法で成分規格が指定されています。
除草剤や害虫駆除などの農薬にも使われていますよ。
BHA
BHAは「ブチルヒドロキシアニソール」の略で、保存料・酸化防止剤として使われる合成添加物です。元々ガソリンの酸化防止剤として作られた物質です。
ペットフード安全法で成分規格が指定されています。
BHT
BHTは「ジブチルヒドロキシトルエン」の略です。保存料・酸化防止剤として使われる合成添加物で、BHAと同じようにガソリンの酸化防止剤として作られた物質です。発がん性もあります。
ペットフード安全法で成分規格が指定されています。
プロピレングリコール
主に「ウェットタイプ」のドッグフードの保湿や制菌のために使用されています。同じく発がん性があります。
亜硝酸(あしょうさん)ナトリウム
フードに含まれるお肉を鮮やかなピンク色に保ちます。
ビタミンC不足の犬だと、胃の中でアミノ酸と反応を起こし「ニトロソアミン」という発がん性物質に変化してしまいます。
また、中毒の症例から猛毒と知られている青酸カリと毒性が同じレベルであるという研究結果も存在します。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは脂肪酸の一種で、防腐剤として使われます。
他の脂肪酸と同様に代謝されて「二酸化炭素」と「水」に分解される天然成分ですが、大量に摂取すると「発育不良」や「肝臓障害」が起きる可能性があります。
ソルビン酸カリウムは亜硝酸ナトリウムと反応して発がん性物質に変化します。米国では使用制限のない物質です。
亜硫酸(ありゅうさん)ナトリウム
防腐剤として使用されます。ソルビン酸カリウムと反応して発がん性物質を生成します。
少量でも危険度の高い添加物といえます。
グリシリジン・アンモニエート
ドッグフードの食いつきを良くするための甘味料として使われます。
安全性が確認されていない添加物で、人間の食料にはまず使われません。
没食子酸プロピル
酸化防止剤として使われます。肝臓障害が起きる可能性があります。
着色料
石油製品を化学合成して生成される物質で、「タール色素」ともいわれます。発がん性物質なのでアメリカやヨーロッパでは使用が禁止されています。
「青色2号」「赤色3号」「赤色40号」「赤色102号」「赤色105号」があります。
青色2号
「インジゴカルミン」という着色料です。食品以外にも工業製品の着色にも使われることがあります。
赤色3号
「エリスロシン」という着色料です。ドイツやポーランド、アメリカでは人間用の食品にも使用が禁止されています。
赤色40号
「アルラレッドAC」という着色料です。天然に存在しない添加物で、清涼飲料にも使用されています。
動物の体への有害性があるとされ、2008年にイギリスで警告・報道がされました。
赤色102号
「ニューコクシン」という着色料です。多量摂取でじんましんや貧血の症状が起こることが報告されています。カナダ、ベルギー、アメリカでは食品全般への使用が禁止されていますよ。
赤色105号
「ローズベンガル」という着色料です。
「発育不良」「肝臓障害」など重篤な症状や病気の原因になることが認められています。
合成調味料
ドッグフードの食いつきを良くするために使われますが、調味料の成分が不明です。安全性が確保されているとはいえません。
ドッグフードの無添加とは?

「着色料無添加」「化学的酸化防止剤無添加」と部分的に無添加が表示されているドッグフードもあれば、単に「無添加」と表示されているだけのドッグフードも存在します。
前者は「それ以外の添加物は入っていますよ」という意味です。例えば着色料無添加であれば、酸化防止剤や香料、保存料は含有しているケースが多いです。
後者には注意が必要です。
一部の添加物を入れていないだけで「無添加」と名乗っている可能性があるからです。
例えば酸化防止剤と保存料を全く使用していない場合、「酸化防止剤・保存料無添加」が意味として正しい表記となりますが、単に「無添加」としか表記しないことがあるのです。
酸化防止剤と保存料は添加物なので、使用していなければ「無添加」と表記できるのです。
しかし、添加物は他にもあるので「無添加と書いてあるのに実は着色料は使用しています」というドッグフードも中には存在するということです。
大切なことは、「無添加」というパッケージの表記に惑わされずきちんと原材料を確認することです。
ドッグフードの添加物、購入時の注意点は?

上記であげた添加物はどれも愛犬の健康に影響をあたえますが、安価で長期保存可能なドッグフードを作るためには必要な成分なのです。
ただ、ペットフード安全法が世界のペットフードに関する法律よりも規制が緩いことは確かです。
愛犬の健康を考えた「ローズマリー抽出物」や「ビタミンE」など天然素材の酸化防止剤が使われたドッグフードを、できるだけ選びたいものですが、日本ではフードの値段が高価になってしまう現状です。
無添加で安心のフードを

危険とされる添加物はこの記事で紹介したものがほとんどです。ドッグフードはなるべく同じものを与え続けることが良いとされています。老犬期に添加物の多いフードを食べさせるのは少し不安ですよね。
少し高価でも「カナガン」や「オリジナルドッグフード」など愛犬の健康に最大限配慮してあるフードを選ぶことが大切ですよ。
愛犬のフードを決定するみなさんがドッグフードを選ぶときには、添加物の含有量に気をつけてくださいね。おすすめの無添加ドッグフードはこちら、今売れている最高級ドッグフードはこちらから確認できます。
もし食べたものが犬の体に合わない場合は嘔吐してしまう場合もあります。嘔吐についてこちらの記事にまとめましたので、併せてご覧ください。