トイプードルの寿命は?多い死因や、かかりやすい症状・病気は?

  • 愛玩動物看護師
  • 監修者:渡邉鈴子
栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。現在では、ペット栄養管理士の資格取得に向けて勉強中。

大切な家族である愛犬には、少しでも長生きしてほしいですよね。

トイプードルの寿命は平均よりも長めですが、それだけに気をつけたい病気も多くあります。

この記事では、トイプードルの寿命とかかりやすい病気、健康維持のためのポイントをまとめました。

 

トイプードルの平均寿命はどれくらい?

トイプードルの平均寿命

  • 16年前後

トイププードルは小型犬の中でも寿命が長く、平均寿命は16歳前後といわれています。

比較的丈夫で、より長い時間を一緒に過ごせる犬だといえますよ。

 

トイプードルを長生きさせる!何に気をつけるべき?

トイプードル

長生きのコツ

  • 食事
  • ストレスを極力与えない環境作り
  • 病気の早期発見・治療

 

食事

食事は規則正しく摂るようにします。

可愛いからといってなんでも食べさせていると肥満の原因になりますし、人間の食事を与えれば糖分や塩分の取りすぎで身体を壊す可能性が高まるからです。

ストレスを極力与えない環境作り

人間でもそうですが、ストレスで体調を崩すことも多いですよね。

トイプードルは特にストレスを感じやすいといわれており、下痢や嘔吐をしてしまうことも珍しくないです。

愛犬がストレスを感じにくく安心して暮らせるような環境づくりを心がけてください。

 

病気の早期発見・治療

病気にならないことが一番ですが、発病してもすぐに治療すること、これこそが長生きの秘訣だといえます。

病気を早期発見・治療するためにも定期的な健康診断をぜひ受けるようにしてください。

 

トイプードルで多い死因は何?

犬の死因を病気別に見てみると、「ガン」「腎臓病」「腎不全」が原因となることが多いです。

世代別に見てみると、幼齢期は「感染症・寄生虫」「突然死」「交通事故」。成犬期は「交通事故」「ガン」「突然死」が死因のトップ3となっています。

つまり、トイプードルもこれらの病気や事故には気をつける必要があるといえます。

出展:日本アニマル倶楽部「犬・猫 死亡原因病気TOP10」

 

トイプードルがかかりやすい症状

トイプードルがかかりやすい症状としては、「膝蓋骨脱臼」「涙やけ」「低血糖」などがあります。

 

膝蓋骨脱臼

トイプードル_散歩2

膝蓋骨脱臼は、後ろ足の膝蓋骨が滑車溝から内側もしくは外側へはずれてしまう状態のことです。

先天性もしくは打撲・落下などの後天的な原因で発症、初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると跛行(患部の足を上げて歩く)が多くみられるようになります。

「十分な筋肉をつける」「肥満に気をつける」「高い場所からジャンプさせない」などが対策になります。

膝蓋骨脱臼にはグレードが1~4まであります。グレード2以上で手術を検討します。

 

涙やけ

トイプードル留守番

涙やけとは、目から溢れ出た涙によって目の周りの被毛が変色してしまうことです。

「鼻涙管の閉塞」や「逆さまつげ」が主原因ですが、「目に入ったゴミ」が原因になることもありますよ。

涙の脂質成分が酸化することで生じるので、小まめに拭き取るなどのケアが大切です。

 

低血糖

トイプードル 素材

5歳以上のトイプードルによくみられる症状で、「元気がない」「痙攣」といった症状がみられます。

子犬の場合は「空腹」や「胃腸の異常」「体の冷え」、成犬は「空腹時で糖が不足したとき」に発症することが多いですね。

治療は主に食事の見直し、子犬であればブドウ糖の摂取、成犬であれば食事を摂ることで回復します。

低血糖が続くと昏睡状態になる可能性もありますので、症状が続く場合は動物病院を受診することをおすすめします。

 

トイプードルがかかりやすい病気

トイプードルがかかりやすい病気としては、「緑内障・白内障」「外耳炎」「気管虚脱」「てんかん」「レッグペルテス」「クッシング症候群」などがあります。

 

緑内障・白内障

緑内障は眼圧が高くなることで視神経や網膜が障害を受ける病気、白内障は目の中の水晶体が白く濁ることで視力が損なわれる病気です。

痛みを伴うため、目をシュパシュパさせたり、涙が出ることもあります。

両方とも予防が困難なため、定期的な検診を受けること、早期の治療を心がけることが大切です。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
もし緑内障になってしまったら、視界が悪くなるため、家の模様替えを控えるようにしましょう。また、ぶつかったら危ない角にはガードを付けるなど二次的な怪我の防止に努めましょう。

 

外耳炎

トイプードル 素材

外耳炎は、犬の外耳に炎症が起こる病気です。

細菌や真菌が原因となることが多いですが、アレルギーや植物の種などの異物が耳に入ることでも発症します。

「耳を痒がる」「耳垢が増える」といった症状がみられ、点耳薬や内服薬で治療が行われます。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
外耳炎は定期的な耳のケアで防ぐことが可能です。ですが、耳掃除の際人用の綿棒は使用しないでください。犬の皮膚は人と異なり薄く傷つきやすいです。人用の綿棒は刺激が強すぎるため、獣医さんや動物看護師さんに正しい耳掃除の方法を教えてもらってから行いましょう。

 

気管虚脱

トイプードル 素材

遺伝や肥満、老化などによって気管がつぶれて、呼吸困難になってしまう病気です。

トイプードルのような小型犬が発症しやすいという特徴があり、ガチョウが鳴くようなぜーぜーという呼吸音を出すようになります。

気絶する場合もあること、再発を繰り返す病気としても知られているので、早急に動物病院に行くことをおすすめします。

熱中症にもなりやすいため、夏の温度管理や散歩の時間帯には気を付けましょう。

 

てんかん

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「てんかん」は、突発的な発作が起こる病気です。

30秒~数分ほどひっくり返り、けいれんや泡を吹くといった症状が出ます。ほとんどは原因不明ですが、突然の恐怖や興奮で一時的なショック状態になることでも起こりますよ。

治療は主に抗てんかん薬の投与で行われます。

 

レッグペルテス

トイプードル 素材

「レッグペルテス」は、遺伝的要因によって股関節の骨が変形してしまう病気です。

トイプードルのような小型犬に多くみられ、「脚を引きずったり上げたりする」などの膝蓋骨脱臼と同じような症状が出ます。

治療は変形している部分の骨の切除を行います。

 

クッシング症候群

トイプードル 素材

「副腎皮質昨日亢進症(ふくじんひしつこうしんしょう)」とも呼ばれる、6才以上のトイプードルによく見られる病気です。

他の病気治療で使われたステロイド剤や副腎皮質から過剰にホルモンが分泌されることで発症し、脱毛や肥満、皮膚が薄くなるなどの症状が起こります。

治療法は、副腎皮質ホルモンの分泌をコントロールするか、ステロイド剤の使用を中止する方法がありますよ。

 

転ばぬ先の杖

どんなに気をつけていても病気になってしまうことはあります。

しかし、かかりやすい病気についての知識や長生きさせるコツなどを事前に知っておけば、対処できることも少なくないです。

愛犬とより長い時間を共有するためにも、勉強してみませんか。

 

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